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2012.10.09更新

ノーベル医学・生理学賞

山中教授の受賞。日本の医学の快挙にうれしく思います。臨床医を諦め、基礎研究の分野に進んだということですが、難病で苦しんでいる患者さんを助けたいという気持ちに変わりはありませんでした。研究成果が何万、何千万の患者さんを救うことが可能となる。
素晴らしいことです。私などは比較にも及びませんが、メスを置いて胆道癌の治療開発の研究を続けているのは、山中教授と同じ思いからなのです。山中教授の特に尊敬できるところは、私利私欲にとらわれず、本当に患者さんのために研究をしているところです。
誠実さと謙虚さとを忘れず、私も研究を続けて行きます。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.09.14更新

腸管免疫

こう門外科で患者様の診察をしていますと、便秘の方よりも下痢を訴える方の多いことに気が付きます。下痢は痔を悪化させる原因の一つなので、治療後も下痢が続く方は再発に注意しなければなりません。下痢の原因の一つに、腸管免疫の低下が関与していることがわかっています。偏食による高脂肪食やビタミン不足、抗生剤の多用による腸内細菌の変化などが考えられます。腸管免疫の減退は蕁麻疹や喘息などのアレルギー疾患を引き起こすとも言われています。最近、米国より腸管免疫を司るラクトフェリンと免疫グロブリンを含有するサプリメントを入手できるようになりました。これに正常腸内細菌を加えれば、下痢も改善し、更にアレルギーも改善することが期待されます。実際に患者様に投与すると調子がいいようです。慢性の下痢やアレルギーに悩んでいる方はお試しする価値はあると思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.08.07更新

ボトックス

先日、脳血管障害などで筋肉の痙縮を起こしている患者さんの症状を緩和するため、ボツリヌス菌A毒素(ボトックス)による治療の講習会に参加してきました。現在、ボトックスを使用するには、ライセンス制が敷かれおり、講習会で認定される必要があります。私は以前、ケアミックスの病院に勤務しており、痙縮を有する患者さんを多数診てきました。介護をするにあたり、本人のみならず、介護士の苦労も相当あり、問題点の一つと感じていました。在宅介護されている家族でお困りの方にも、本治療が提供できるように考えておりますので宜しくお願いいたします。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.07.19更新

ワークショップ

秋の日本胆道学会のワークショップで発表演者に選ばれました。タイトルは「寄生虫関連肝内胆管癌におけるCOX-2 – HER family pathwayの検討」です。タイ国では肝吸虫による肝内胆管癌の発生が多いことで知られています。そこで、タイの患者さんと日本の患者さんで癌の発生過程の違いがどこにあるのかを研究した結果を発表します。日本では肝内胆管癌の原因ははっきりわかっていませんが、最近、印刷機械の洗浄液の成分が胆管癌の原因ではないかと報道されましたね。その他にもウィルス性肝炎の可能性も指摘されています。それぞれの癌の成因が解明できれば、治療法や予防法の開発が可能となると思います。自分の研究がその一助になればいいなと考えて、頑張っています。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.06.23更新

先制医療

最近、「先制医療」という言葉を耳にするようになりました。先制医療とはひらたく言うと、病気になる前に治療をして病気にならないようにすることです。みなさんは病気ではないのになぜ治療が必要かと思われるかもしれません。病気はいきなり罹るものではなく、必ず前段階の状態があります。前段階を正常化(治療)することにより、病気を防ぐのです。その代表的なものが糖尿病です。糖尿病の多くは耐糖能異常から始まり、境界型糖尿病を経てなります。耐糖能異常や境界型糖尿病の段階で治療介入することにより、糖尿病にならずに済むようになります。空腹時血糖やHbA1cが高目と健診で言われたら、すぐに対応されることをお勧めします。当院でも生活習慣病に関わる様々な相談を受けておりますので、気軽にお問い合わせください。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.06.07更新

第3位肺炎

昨日、AKBの総選挙があり、1位に返り咲いた方もいて大変盛り上がっていましたね。ところで5日に厚労省が発表した日本人の死因に肺炎が第3位に1951年以来、返り咲いたそうです。私が思うには、当時の喫煙率は60%を越えていて、その頃20歳で喫煙始めた方は現在81歳となっていますから、タバコが原因の肺気腫になって肺炎を併発した方が多いのでないかということです。もしそうだとすれば、今後ますます肺炎で亡くなる方が増えることが予想されます。禁煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発見予防の重要性が問われるようになってきました。当クリニックは禁煙およびCOPD対策も行っておりますので、どうぞご相談ください。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.05.24更新

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

先日、政府は喫煙率を2010年の19.5%から2022年までに12%へ減らす目標を閣議決定するとしました。がん対策の一環ということですが、5月31日の世界禁煙デーを睨んだパフォーマンスかな?とも思います。COPDの9割ぐらいの原因がタバコと言われていますので、肺がんを始めとした悪性腫瘍の予防も重要ですが、COPDの予防はかなり医療費の節約になることが予想されます。COPDはいわゆる肺気腫や慢性気管支炎などで、進行すると日常生活において酸素ボンベが必要となるほど、息苦しくなります。若い年代で禁煙すれば、肺機能は治療で回復しますが、年を取れば取るほど回復は困難になってきます。私どものところでは禁煙治療を行っておりますが、COPDを早期発見するために6月より呼吸機能測定器を導入します。もし、東京オリンピックが開催されたら、公けの場でタバコを吸うことは世界の恥になりますので、政府は禁煙目標を徹底させて欲しいですね。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.05.19更新

胆管癌

先日、NHKの21時のニュースで、ある校正印刷会社の社員数名が胆管癌に罹患して亡くなられたことが報道されていました。男性の胆管癌の好発年齢は70歳前後ですが、今回の患者さんは30~40歳前後とかなり若かったため、研究機関が原因究明に乗り出したそうです。胆管癌は肝吸虫感染の多い地域で多発することが知られています。今回の調査で新たな原因が究明されれば、胆管癌発生メカニズムの一つが解明される可能性があります。私の研究にも是非応用したいと考えています。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.05.10更新

五月六日

この日はたまたまつくば市にいたのですが、午後、雷雨がありニュースであの竜巻を知りました。北条の町には筑波山神社の旧道の入り口があり、古い町並みの残る風情のあるところです。近くには桜のきれいな北条大池や平沢官衛跡など風光明媚な場所でもあります。つくばに居た頃はよく遊びにいきました。あの町並みが一瞬のうちに破壊されたかと思うと、心切なくなりました。一刻も早い被災地の復旧を願いたいと思います。また、被災者には何らかの方法で支援したいという気持ちでいっぱいです。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.04.27更新

ある日本人外科医の信条

先日、読売新聞にコロンビア大学の日本人外科教授の記事が掲載されていました。誰もが不可能と考えられていた手術を成功させたということです。彼はその中で「例がないからこそやる価値がある」、「Noから始めない」というのを信条としているそうです。翻って、私は道こそ異なりますが、癌の研究を継続している立場から、この信条に共通点を感じました。一般に、癌は治るはずがない、癌を治すことは無理に決まっているという観念が研究者や臨床家の間にあるのは否定できません。しかし、それでは新しい治療法の開発はできないと思います。なぜ、無理と考えるのか、無理を克服するためにはどうしたらよいのか、そこを追及していく必要がある。前例にとらわれない発想を心掛けていきたいと気持ちを新たにしました。

投稿者: みなと芝クリニック

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