2014年7月のブログ

2014.07.31更新

論文の受理

以下のタイトルの論文が受理されました。「Overexpression and Gene Amplification of EGFR, HER2, and HER3 in
Biliary Tract Carcinomas, and the Possibility for Therapy with the HER2-Targeting Antibody Pertuzumab」日本消化器病学会の英文誌です。胆道癌治療の新たな可能性を示唆した内容です。多くの共同研究者を始め、様々な方の協力の上、達成された研究です。日本だけでなく世界中に研究成果を広め、一人でも多くの患者さんを救うことができるようにしていきたい。まずは動物実験、そして臨床試験。夢は広がるばかりです。この10年をかけて成し遂げることをここに宣言します。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.25更新

慢性腎臓病の特効薬?

慢性腎臓病は放置したままでいると、腎不全に移行しやがて透析治療が必要になってしまう病気です。原因の多くは糖尿病といわれています。今までは慢性腎臓病に対しては血糖のみならず、血圧のコントロールを良くすること、塩分摂取を控えることなどがありましたが、最近、慢性腎臓病になるメカニズムに基づいた治療薬が申請されることになりました。尿をアルカリ化することにより傷ついた腎臓を修復する薬です。実はこの薬は以前より尿管結石を予防する薬として製造されていたものですが、近々慢性腎臓病の方にも使えるようになるそうです。糖尿病患者さんでタンパク尿が出始めた方は早目にご相談ください。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.17更新

女性の過敏性腸症候群

過敏性腸症候群でお悩みの方は性別に関係なくいらっしゃいます。女性の方の場合、下痢型だとトイレの心配が深刻です。通勤途中や会議中なども羞恥心が加わるのでなおさらです。これまでは男性の下痢型過敏性腸症候群の特効薬としてイリボーがありましたが、女性には無効例が多く、便秘などの合併症が問題となり、適応にはならなかったそうです。確かに男性の方に下痢型が多くみられますので、便秘型の比率が男性と比較して高い女性には無効となる症例が多かったようです。本剤を開発した製薬会社がこの度、治験をやり直したところ、下痢型の女性にも効果があったため、適応承認をとることになりました。近々、過敏性腸症候群でお悩みの女性にもイリボーが処方できるようになりますので、もう少し辛抱してください。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.10更新

抗癌剤と妊娠

聖路加国際病院の乳腺外科グループから画期的な研究発表がありました。抗癌剤が胎児に及ぼす影響を調べた結果、生まれてきた子供に悪影響はなかったそうです。妊娠中に癌が発見されるお母さんは今までは、子供を諦めるか、治療を諦めるか二者択一を迫られていましたが、この研究結果により両方が望めるようになったのです。この発表をされた先生は長年、米国で研究に携わってきた経歴を持っています。聖路加にはこのように外国で研鑚を積まれて業績を上げてきた先生が大勢いらっしゃいます。そのような外国にいるような雰囲気だからこそ、可能であった臨床研究だと思います。慣習や先入観にとらわれず、自由な発想で患者さんと向き合う姿勢が感じられます。私自身も米国で研究を重ね、固定観念にとらわれない視線を培ってきたつもりです。そして、臨床の現場で実践し、成績を上げてきました。昨年から聖路加国際病院とは消化器外科領域を中心に病診連携を行うようになり、受診希望される患者さんのニーズに答えられようになりました。更に一歩進んだ医療を希望されるかたにはお勧めの病院だと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.03更新

日頃の努力の成果

本日(7/3)、JDDW(消化器病関連の国内最大の学会)の演題採択発表があり、私が応募した演題が採用されました。「膵/胆道癌の分子標的・免疫と治療応用」のパネルディスカッションです。「HER3陽性胆道癌に対するpertuzumab治療」というタイトルで10/23に神戸で発表します。この栄誉は私だけでなく、共同演者皆様の協力のお蔭で獲得したものです。改めて関係各位に御礼を申し上げます。私は決して自慢ではなく、長年、同一のテーマで研究を続けてきた日頃の努力が認められたものと思っています。現在、この内容は論文としてもある国際学術誌に受領されています。長年の夢が一歩前進したものと考えています。信念を持って研究を続けていられることに大変感謝しております。大学を追われて、身分の無い者でも、医局を出た人間でも、見てくれている人はいるんだなとしみじみ思います。明日からの診療の活力になります。

投稿者: みなと芝クリニック

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