2019年4月のブログ

2019.04.17更新

なぜスギ花粉免疫療法はヒノキ花粉症に効かないのか

今、花粉症でお悩みの方は多いと思いますが、4、5月はヒノキが原因と考えられています。最近、スギ花粉症の治療に免疫療法(シダトレン)が開発され、注目されています。スギ花粉症の人はヒノキ花粉症も有している方が多いので、当然、シダトレンがヒノキ花粉症に効くと思われがちですが、実際のところ効かないようです。スギもヒノキも同じ抗原を持つので、両方の花粉症を持つ人が多いのですが、含まれる抗原には4種類ありまして、そのうちの1種類がヒノキに多くてスギに少ないことが判明しています。スギの治療薬はスギに多い抗原を用いますので、必然的にヒノキに多い抗原に対する免疫寛容は起きにくくなります。従って、一旦治まったスギ花粉症はヒノキの時期に再び悪化するのです。ヒノキに多い抗原は採取精製が困難で、治療薬はまだ開発されていません。このような理由ですので、当分の間、ヒノキ花粉症の方は抗アレルギー薬が必要となります。

投稿者: みなと芝クリニック

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