2012.03.30更新
東京無医村
東京の芝の地に開業して既に1年10か月が経とうとしています。最近いろいろ思うことがあり、記録に少しでも留めて置こうと突然思い立ち、今日からブログを始めることとしました。
まずは自己紹介。昭和37年の3月生まれで、先月齢50となりました。大学は茨城で、2年の外科研修後、消化器外科の大学院に進み、1992年に学位を取得しています。1996年に講師となり、その後2003年から2006年に米国留学をしました。帰国後は大学を退き、県内の病院を経て、2009年より都内大学病院の非常勤講師、そして2010年に芝でクリニックを開業しました。
専門は消化器の外科でしたが、医者が不足していましたので、研修医のころから医療過疎地域の病院に出向したり、アルバイトで田舎の救急病院に派遣されたりしていました。そのため、整形外科、胸部血管外科、脳外科、泌尿器科など様々な患者さんも診療してきました。多くの地方の病院でそうだと思いますが、周りから外科というと何でもできて頼れるという期待がされていたので、外科医自身も使命感を持って、診療に励んでいました。おかげで今はどんな患者さんが来ても、自信を持ってプライマリーケアを行うことができます。
タイトルにある「東京無医村」とは、決して医者がいないという意味ではなく、むしろ東京は専門分野のエキスパートによる最先端の医療を享受できるといった点では、世界にも誇れるところだと思いますが、私は今まで経験したように浅く広く様々な患者さんに対応する無医村の医者の気持ちを忘れないよう、今後も精進していくという意味です。もちろん、私自身も正真正銘の無医村での勤務経験はないので、偉そうに言う権利はないのですが、人口10万人に対する医師数が全国で46番目の地方自治体で医者をしてきた自負?はあります。
開業してまだ1年と10か月ほどですが、現在も以前勤めていた病院へお手伝いに行っていますし、最近では休みの日に都内の病院で救急当直のアルバイトも経験しています。救急の現場はそのエリアが抱えている医療の問題点を良く反映していると思うので、医療の現場で感じたことを含めこれから、思うことを徒然なるままに記録していければいいなと考えています。
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