ブログ

2012.04.27更新

ある日本人外科医の信条

先日、読売新聞にコロンビア大学の日本人外科教授の記事が掲載されていました。誰もが不可能と考えられていた手術を成功させたということです。彼はその中で「例がないからこそやる価値がある」、「Noから始めない」というのを信条としているそうです。翻って、私は道こそ異なりますが、癌の研究を継続している立場から、この信条に共通点を感じました。一般に、癌は治るはずがない、癌を治すことは無理に決まっているという観念が研究者や臨床家の間にあるのは否定できません。しかし、それでは新しい治療法の開発はできないと思います。なぜ、無理と考えるのか、無理を克服するためにはどうしたらよいのか、そこを追及していく必要がある。前例にとらわれない発想を心掛けていきたいと気持ちを新たにしました。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.04.19更新

そもそも顕微鏡がある理由

私が2年目の研修医を終えるころ、ある病院の外科に配属されていました。朝の回診時に胃癌の患者さんの病理組織診断の報告書が戻ってきており、その内容について先輩医師(執刀医)が「ss, int, INFβと記載されているが、川本先生この意味知っている?」と聞かれました。答えられなかった自分が恥ずかしく(なぜなら消化器外科医を目指していた)、その後、大学院にいって病理学を猛勉強しました。この意味不明のアルファベットは実は癌の特徴(進行度や悪性度)を推測するものでした。おかげで外科医時代は病理標本を自分なりにみてから、結果を患者さんに説明できるようになりました。今でも病理所見を自分の目で確かめるために、クリニックに顕微鏡を置いている理由です。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.04.13更新

AACR報告

先日のAACRから共同演者の先生が帰国し、その時の様子の報告がありました。私のポスターの前には30~40人の参加者が集まり、熱い討論を交わしたそうです。また、20人から原稿内容のコピーの催促があったそうです。もう、驚きの一言です。今まで、何回となく発表してきましたが、こんなリアクションは初めてです。うれしいと同時に、この分野(胆道癌の分子標的治療)の関心が米国内でも高まっているのだなと感じました。研究の意欲が更に高まってきました。早く論文にしなくてはいけませんね。頑張ります。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.04.10更新

生活習慣病外来と肛門科

現在、私は月に2回ほど日曜日にある病院に手伝いに行っております。その病院では肛門科を主に消化器科を担当しているのですが、最近、生活習慣病外来をしてほしいと依頼があり、始めました。この組み合わせは奇異に感じられると思いますが、実は肛門疾患も生活習慣に大いに関わるのです。一般に生活が不規則な方ほど食事も不規則になり、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症になりやすく、また便秘がちあるいは下痢気味になる傾向があります。そのため、痔になりやすくなります。規則正しい生活を心掛けることが痔の予防になりますので、メタボの気があると言われた方は注意しましょう。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.04.05更新

AACR

3月31日から4月4日まで、米国シカゴで米国癌学会議が開催されていました。今回、私自身は参加できませんでしたが、私がアメリカ留学の時から永遠に続けてきた研究内容の発表が行われました。私の共同演者の方にお願いしました。胆道癌に対する新しい分子標的治療に関する実験結果を報告しました。もちろん胆道癌に対しては新規治療法になりますので、米国の研究者の反応がどうであったか、興味津々です。彼らの帰国が待ち遠しいです。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.04.03更新

頭の下がる思い

先日、あるテレビ番組で東北の被災地の病院に37歳の先生が病院長に就任したニュースを紹介していました。彼は総合診療を専門とし、僻地での経験が豊富にあります。単身赴任だそうです。本当に頭の下がる思いです。まさに私自身が目指すのは、場所こそ異なりますが、このように幅広い領域の診療が行える医師です。実力がないとできません。日々、是勉強ですね。

投稿者: みなと芝クリニック

2012.03.30更新

東京無医村

東京の芝の地に開業して既に1年10か月が経とうとしています。最近いろいろ思うことがあり、記録に少しでも留めて置こうと突然思い立ち、今日からブログを始めることとしました。

まずは自己紹介。昭和37年の3月生まれで、先月齢50となりました。大学は茨城で、2年の外科研修後、消化器外科の大学院に進み、1992年に学位を取得しています。1996年に講師となり、その後2003年から2006年に米国留学をしました。帰国後は大学を退き、県内の病院を経て、2009年より都内大学病院の非常勤講師、そして2010年に芝でクリニックを開業しました。

専門は消化器の外科でしたが、医者が不足していましたので、研修医のころから医療過疎地域の病院に出向したり、アルバイトで田舎の救急病院に派遣されたりしていました。そのため、整形外科、胸部血管外科、脳外科、泌尿器科など様々な患者さんも診療してきました。多くの地方の病院でそうだと思いますが、周りから外科というと何でもできて頼れるという期待がされていたので、外科医自身も使命感を持って、診療に励んでいました。おかげで今はどんな患者さんが来ても、自信を持ってプライマリーケアを行うことができます。

タイトルにある「東京無医村」とは、決して医者がいないという意味ではなく、むしろ東京は専門分野のエキスパートによる最先端の医療を享受できるといった点では、世界にも誇れるところだと思いますが、私は今まで経験したように浅く広く様々な患者さんに対応する無医村の医者の気持ちを忘れないよう、今後も精進していくという意味です。もちろん、私自身も正真正銘の無医村での勤務経験はないので、偉そうに言う権利はないのですが、人口10万人に対する医師数が全国で46番目の地方自治体で医者をしてきた自負?はあります。

開業してまだ1年と10か月ほどですが、現在も以前勤めていた病院へお手伝いに行っていますし、最近では休みの日に都内の病院で救急当直のアルバイトも経験しています。救急の現場はそのエリアが抱えている医療の問題点を良く反映していると思うので、医療の現場で感じたことを含めこれから、思うことを徒然なるままに記録していければいいなと考えています。

投稿者: みなと芝クリニック

2011.06.29更新

ブログはじめます

ブログはじめます

投稿者: みなと芝クリニック

  • Clinic Blog
  • Contact Form
  • みなと芝クリニック 女性サポート外来