クリニックブログ

2015.11.19更新

ホエイ

既にご存知の方も多いと思いますが、ホエイとは乳清のことです。英語で「whey」と書きます。乳清とはヨーグルトを買ってきてしばらく置いておくと出て来る上澄み液のことです。なんとなく古くなってくると出て来るので、私は気持ち悪くていつも捨てていました。でもこの中にはタンパク質のみならず免疫グロブリンやアルブミン、ラクトフェリンを始め体に有用な成分が多く含まれているのです。捨てるなんて、なんてもったいない!しかも乳清はインスリンの分泌を促進するGLP-1という酵素を誘導することがわかってきたのです。従って、糖尿病やその予備軍の方にもいいのです。ただ、乳清はなかなか手に入らないのが難点だそうです。毎日、ヨーグルトをたくさん摂ればいいのですが、そういうわけにも行きません。そこでサプリとしていろいろ出ているらしいのですが、注意点として加工品なので乳糖が多く含まれており、牛乳が苦手な方には向いておりません。当院で扱っているサプリは天然の成分と同様の中味となっておりますので、糖尿が気になる方にはお勧めです。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.11.14更新

αグルコシダーゼ阻害剤とごぼう

αグルコシダーゼという酵素は小腸粘膜にあり、麦芽糖、ショ糖、乳糖などの二糖類を単糖類に分解して吸収しやすくする働きがあります。過剰に糖質を取り続けると、ブドウ糖などの単糖類が増え、その結果高血糖となります。糖尿病や境界型の方にはこの酵素の働きを抑える薬があり、糖の急激な上昇を抑えて高血糖にならないようにします。以前、このブログで糖尿病の方にはごぼう繊維質がお勧めと書きましたが、実はこのごぼうにイヌリンが豊富に含まれていて、このイヌリンがαグルコシダーゼの働きを抑える力を持っているということなのです。また、ごぼうには水溶性繊維質が多く含まれていて、この繊維が糖をからめて吸収しにくくすることも分かっています。他の食物で同様の作用があるのは切り干し大根です。従って、これら食材は糖尿病の方に大変お勧めできますし、境界型糖尿病などメタボの方にも予防効果があると思われます。薬だけに頼らずに糖尿病を改善する方法をいろいろと提案して行きたいと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.10.26更新

ワクチンの防腐剤

今年も木枯らしが吹き、インフルエンザの季節を迎えようとしています。各医療機関ではインフルエンザワクチンの予防接種が始まっておりますが、小さなお子様がいるお母さんや妊婦さんからワクチンの防腐剤についてよくお問い合わせがあります。この防腐剤にはエチル水銀という有機水銀が含まれています。水俣病で知られているメチル水銀とは異なりその毒性は遥かに低く、速やかに体外に排出されますので、一般に小児や妊婦さんでも問題ないとされています。そもそも防腐剤は1928年にオーストラリアでジフテリアのワクチンに細菌が混入して多数のこどもが死亡するという事故があってから添加されるようになりました。当時と比べて現在では当然衛生管理の技術が発達しておりますので、防腐剤の添加は徐々に減少する傾向にあるのも事実です。インフルエンザワクチンは毎年大量に作製され、広範囲に流通しますので、安全のため添加されているものが多いようです。また、防腐剤無添加のワクチンは一度開封しますと早く使用する必要がありますので、現状では管理する上でも手間がかかり、どうしても割高となってしまいます。むしろ、ワクチン内のエチル水銀の影響を心配するならば、マグロや金目鯛を一人前食するとメチル水銀がワクチンの62倍摂取することになりますので、こちらの方が危険ということになります。日本製のワクチンはWHOの基準をはるかにクリアしていますので、過度にご心配される必要は少ないと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.10.16更新

インフルエンザワクチン昨今

今年もインフルエンザの予防接種の時期が来ました。ニュースでは学童で既に流行の兆しがあり、学級閉鎖している地域もあると報道され、今シーズンは早目の接種が勧められています。シーズン前半はほとんどがA型で、現在の不活化ワクチンはH3N2(A香港型)とH1N1/09(いわゆる新型)に対応するものです。小児(2~8歳)でみると、新型に対する有効率は60%に達するものの、香港型には15%程度しか効かないようです。よく予防接種したのにインフルエンザに罹ったというのは大方、香港型だそうです。「じゃあ、打ってもしょうがない」と思われる方もいると思いますが、専門家の意見では接種していると、脳症などの重症化へ移行することがないと述べています。最近は経鼻接種のインフルエンザ生ワクチン(フルミスト)が話題になっておりますが、針で刺さないので痛くないという利点がありますが、日本では認可されていないため、個人輸入する必要があり従って、値段も高くなっております。しかし、直近の米国の報告は、2~8歳の小児では香港型にも新型にもほとんど効かないというショッキングなものでした。この結果を踏まえて、日本のある研究施設で新たな不活化経鼻ワクチンを開発中で、治験段階ではその有効率はかなり高いものになっているそうです。ただし、実用化は4年先の見通しだそうです。年齢制限が49歳以下ということもあり、我々の世代には当面関係がありませんが子供さんには期待したいものです。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.10.06更新

救急医療現場で気付いたこと

相も変わらず、月2回程度のペースで救急病院で診療を行っています。1次がメインの2次も診るというところですが、脳外科が有名な病院なので、めまい、立ちくらみ、意識レベルの低下を主訴にした高齢者がひきり無しに搬送されます。その多くは脳外科の先生がいない病院の罹り付け患者さんです。救急隊が連絡しても脳外科が無いからといって断わられるそうです。搬送された患者さんの頭部CTで異常がなければ、内科に回されるのが普通です。高齢者なのでたたけば誇りが出るのはしょうがないのですが、内科的理由でめまいや立ちくらみが生じている場合が多いのです。罹り付けが有床診療所であれば、脳に異常が無いのであれば個人的に転院をされた方が患者さんの為になると思うのです。内服薬のことや、いままでの経過が現場では全く分からないこともあります。高齢者を管理する時は必ずといって頭の問題がありますので、無床診療所では仕方ありませんが、専門でないからといって拒否していると日本の高齢者医療は立ちいかなくなるような気がします。これは単に医者の数を増やしただけでは解決できない課題だと思います。憂えているのは私だけでしょうか。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.09.25更新

肝内胆管癌

女優の川島なお美さんが胆管癌でお亡くなりになりました。術後約1年だったそうです。12時間に及ぶ手術ということは相当な進行癌だったことが推測されます。でも一年は早すぎますね。それだけ肝内胆管癌は悪性度が高いという証拠です。現在は手術治療が唯一ですが、術後成績は未だ芳しくありません。全体の術後5年生存率は26%ほどです。最近は若い方々でこの病気に罹患する率が高くなっています。原因はまだはっきりしませんが、日本ではその一つに印刷会社で使う有機溶剤が関連していることが知られています。原因が究明できれば予防法や治療法が開発されるのですが、なかなか難しいようです。早期発見に関しても、早期における症状がほとんど無いため、症状が出た時に医療機関を受診した時は既に進行している場合が多いです。川島なお美さんは最後の手段として高濃度ビタミンCの点滴をされていたようです。癌に対する効果のエビデンスに乏しいという欠点はありますが、進行癌の勢いを抑えるには毎日100g程度の投与が必要という知見もあります。川島なお美さんのご冥福を祈ります。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.09.22更新

壮快

新着情報でもお知らせいたしましたが、「壮快」という健康雑誌の11月号に私が解説した記事が掲載されました。糖尿病と腸内フローラについてです。要は善玉菌が増えると糖の吸収が抑えられて血糖のコントロールがしやすくなるということです。私の目標はあくまでインスリン治療をできるだけ減らしたいところにあります。少なくとも内服薬だけで糖尿をコントロールできれば、自己管理の問題やひいては医療経済の問題から解放されます。「壮快」では献立のレシピも掲載されていますので是非参考にしてください。糖尿の方でも食事は生き甲斐の一つです。過度な食事制限は人生を暗くし、意欲を低減させます。病気は抱えていても、病気と共存し健やかに老いることを目指しております。糖尿病見直し外来盛況してます。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.09.15更新

被災地の医療現場を見て

常総市の医療の現場が一部報道されていました。医療機器が浸水し、使用不可となり業務が停止した状態です。患者さんは待ってくれませんので、現場の先生たちは大変なことと思われます。しかも災害時は必要な医療スタッフが揃わないことから、事実上診療は難しいかも知れません。ライフライン、特に電気の供給がストップしてしまうと命に関わる患者さんも多いと思います。地域中核病院の先生方は災害で発生した重症患者も診なければなりません。自分はそういう場面に遭遇したことがないし、被災地に応援にいったこともありませんので、想像がつきませんが、医師数に対し患者数が圧倒的に上回ることは確かだと思います。骨折した患者さんが、頭痛と腹痛の訴えをしたとしますと、通常であれば、この患者さんは整形外科だけではなく、脳外科や消化器科の医師の診察が必要となります。しかしながら、絶対的医師不足の状況では1人の患者さんに3名の医師は無理で、恐らく1人の医師が対応しなければならないでしょう。しかし、実際は「専門外だから手出しをしない」「専門外は手を出すな」という風潮があり、専門外の患者さんは診ないのが現状です。災害現場では専門外を見ない医師は意味がありません。専門外も診れるよう日頃からトレーニングを積んでなければ、一朝一夕でできるものではありません。私は元々、医療過疎地域の大学で研鑚して参りましたので、一人の医師が一人の患者さんのすべてを診るよう教え込まれました。災害時には少しでも役に立てるよう、これからも信念を貫いて、患者さんの全身を診る診療を行っていきたいと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.09.04更新

今年のインフルエンザワクチン

平成27年度からインフルエンザワクチンの内容が変更になりました。昨年度まではA型2株とB型1株に対するワクチンでしたが、今年度からA型2株、B型2株に対するワクチンになります。それだけ予防効果が高くなることが推定されます。今までB型は2株のうち流行するのがどちらかであるため、1株しか含まれていなかったそうですが、はずれると予防効果がありませんでした。米国での研究の結果、B型は2株が混合して流行することが判明したので4株対応になったという経緯があります。ただ、難点は価格が上がってしまったことです。当院ではできるだけ予防接種を推進する立場をとっておりますので、値段はなるべく抑え気味で考えております。
昨年は3000円でしたが、500円アップの3500円を予定いたしております。どうぞご理解のほど、宜しくお願い申し上げます。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.08.28更新

最近の熱中症

お盆休みのあと、しばらくしてました。今週に入って涼しい感じになりましたが、まだまだ湿度が高いので熱中症には気をつけましょう。今年は熱中症が広く知れ渡り、少しでも異変があるとクリニックを受診される方が増えたと思います。一般には熱中症の初期症状は脱水ですので、血圧が下がり脈が速くなる症状が現れますが、最近もしかしたらというのは、①血圧上昇、②めまい、③足の痛み、もしくは腫れ、④腹痛のいずれかを主訴とする場合も熱中症ではないかと考えています。しかも涼しいと思われる室内にいることが多いのです。エアコンはここのところかけている方が多いのですが、省エネもあり温度が高目に設定されているようなので、意外と室内にいても脱水になりやすかも知れません。夜間の気温が下がらないので、夜間に脱水となり熱中症になるとの意見もあります。いずれにしても、循環障害が上記①~④の症状として現れる原因ではないかと思います。気温が低くても湿度が高いので熱がこもりやすいので、9月に入ってもまだまだこまめに水分を摂る必要がありますので、注意しましょう。

投稿者: みなと芝クリニック


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