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2015.09.15

被災地の医療現場を見て

常総市の医療の現場が一部報道されていました。医療機器が浸水し、使用不可となり業務が停止した状態です。患者さんは待ってくれませんので、現場の先生たちは大変なことと思われます。しかも災害時は必要な医療スタッフが揃わないことから、事実上診療は難しいかも知れません。ライフライン、特に電気の供給がストップしてしまうと命に関わる患者さんも多いと思います。地域中核病院の先生方は災害で発生した重症患者も診なければなりません。自分はそういう場面に遭遇したことがないし、被災地に応援にいったこともありませんので、想像がつきませんが、医師数に対し患者数が圧倒的に上回ることは確かだと思います。骨折した患者さんが、頭痛と腹痛の訴えをしたとしますと、通常であれば、この患者さんは整形外科だけではなく、脳外科や消化器科の医師の診察が必要となります。しかしながら、絶対的医師不足の状況では1人の患者さんに3名の医師は無理で、恐らく1人の医師が対応しなければならないでしょう。しかし、実際は「専門外だから手出しをしない」「専門外は手を出すな」という風潮があり、専門外の患者さんは診ないのが現状です。災害現場では専門外を見ない医師は意味がありません。専門外も診れるよう日頃からトレーニングを積んでなければ、一朝一夕でできるものではありません。私は元々、医療過疎地域の大学で研鑚して参りましたので、一人の医師が一人の患者さんのすべてを診るよう教え込まれました。災害時には少しでも役に立てるよう、これからも信念を貫いて、患者さんの全身を診る診療を行っていきたいと思います。

投稿者: みなと芝クリニック


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