クリニックブログ

2015.12.15

薬のいい副作用

一般に薬の副作用とはその薬の目的以外の人体に有害な作用を指します。たとえば鎮痛剤を服用した際にできる胃潰瘍、血液をさらさらにする薬の内服で起こる脳出血、コレステロールを下げる薬でなる筋肉痛などが代表的なものです。ところが副作用の中でもそれが逆にある人にとっては有益な作用となることがあります。酸化マグネシウムは元来、胃潰瘍の薬でありましたが、副作用に下痢がありました。便秘の人に服用していただいたところ、便秘が解消したので今では便秘薬として知られています。他にはある種の緑内障の点眼薬を使用していたところ、睫毛が伸びてくるという反応がみられたため、現在は美容目的で専用に製剤化されたものもあります。あるED治療薬は前立腺肥大症に有効であるだけでなく、発毛促進作用もあることがわかっています。ここからが本題ですが、最近あるED治療薬が糖尿病予備軍の方のインスリン感受性を改善するという報告がされました。作用機序はまだはっきりしていませんが、動物実験ではβ細胞の機能が改善し、インスリン分泌能が亢進することが示されており、これが何らかの作用を経てインスリン感受性が改善されるのではないかと考えられています。女性でも同様の効果が認められているということです。糖尿病の方でEDでお悩みの方には特に朗報ではないでしょうか。更なる臨床研究結果が待たれます。

投稿者: みなと芝クリニック

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