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2014.08.09更新

記念誌

私が評議員を務める日本胆道学会は今年50周年を迎えます。それを記念して学会では記念誌を発刊することになりました。執筆者として歴代の胆道学会賞受賞者に受賞の背景とその後を書いていただき、今後の胆道学会の運営に反映させることになりました。幸運にも私も歴代受賞者でしたので、執筆依頼がきました。先月の25日に原稿締切でしたが、今年の11月に発刊予定だそうです。私の研究のこれまでのいきさつを書かせていただきました。今思うと、いろいろあったなーと感慨深げになります。開業医のわらじを履く一研究者としての在り方をこれからも示して行きたいと思います。発刊後、本ブログに公開しますので、楽しみにしてください。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.31更新

論文の受理

以下のタイトルの論文が受理されました。「Overexpression and Gene Amplification of EGFR, HER2, and HER3 in
Biliary Tract Carcinomas, and the Possibility for Therapy with the HER2-Targeting Antibody Pertuzumab」日本消化器病学会の英文誌です。胆道癌治療の新たな可能性を示唆した内容です。多くの共同研究者を始め、様々な方の協力の上、達成された研究です。日本だけでなく世界中に研究成果を広め、一人でも多くの患者さんを救うことができるようにしていきたい。まずは動物実験、そして臨床試験。夢は広がるばかりです。この10年をかけて成し遂げることをここに宣言します。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.25更新

慢性腎臓病の特効薬?

慢性腎臓病は放置したままでいると、腎不全に移行しやがて透析治療が必要になってしまう病気です。原因の多くは糖尿病といわれています。今までは慢性腎臓病に対しては血糖のみならず、血圧のコントロールを良くすること、塩分摂取を控えることなどがありましたが、最近、慢性腎臓病になるメカニズムに基づいた治療薬が申請されることになりました。尿をアルカリ化することにより傷ついた腎臓を修復する薬です。実はこの薬は以前より尿管結石を予防する薬として製造されていたものですが、近々慢性腎臓病の方にも使えるようになるそうです。糖尿病患者さんでタンパク尿が出始めた方は早目にご相談ください。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.17更新

女性の過敏性腸症候群

過敏性腸症候群でお悩みの方は性別に関係なくいらっしゃいます。女性の方の場合、下痢型だとトイレの心配が深刻です。通勤途中や会議中なども羞恥心が加わるのでなおさらです。これまでは男性の下痢型過敏性腸症候群の特効薬としてイリボーがありましたが、女性には無効例が多く、便秘などの合併症が問題となり、適応にはならなかったそうです。確かに男性の方に下痢型が多くみられますので、便秘型の比率が男性と比較して高い女性には無効となる症例が多かったようです。本剤を開発した製薬会社がこの度、治験をやり直したところ、下痢型の女性にも効果があったため、適応承認をとることになりました。近々、過敏性腸症候群でお悩みの女性にもイリボーが処方できるようになりますので、もう少し辛抱してください。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.10更新

抗癌剤と妊娠

聖路加国際病院の乳腺外科グループから画期的な研究発表がありました。抗癌剤が胎児に及ぼす影響を調べた結果、生まれてきた子供に悪影響はなかったそうです。妊娠中に癌が発見されるお母さんは今までは、子供を諦めるか、治療を諦めるか二者択一を迫られていましたが、この研究結果により両方が望めるようになったのです。この発表をされた先生は長年、米国で研究に携わってきた経歴を持っています。聖路加にはこのように外国で研鑚を積まれて業績を上げてきた先生が大勢いらっしゃいます。そのような外国にいるような雰囲気だからこそ、可能であった臨床研究だと思います。慣習や先入観にとらわれず、自由な発想で患者さんと向き合う姿勢が感じられます。私自身も米国で研究を重ね、固定観念にとらわれない視線を培ってきたつもりです。そして、臨床の現場で実践し、成績を上げてきました。昨年から聖路加国際病院とは消化器外科領域を中心に病診連携を行うようになり、受診希望される患者さんのニーズに答えられようになりました。更に一歩進んだ医療を希望されるかたにはお勧めの病院だと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.07.03更新

日頃の努力の成果

本日(7/3)、JDDW(消化器病関連の国内最大の学会)の演題採択発表があり、私が応募した演題が採用されました。「膵/胆道癌の分子標的・免疫と治療応用」のパネルディスカッションです。「HER3陽性胆道癌に対するpertuzumab治療」というタイトルで10/23に神戸で発表します。この栄誉は私だけでなく、共同演者皆様の協力のお蔭で獲得したものです。改めて関係各位に御礼を申し上げます。私は決して自慢ではなく、長年、同一のテーマで研究を続けてきた日頃の努力が認められたものと思っています。現在、この内容は論文としてもある国際学術誌に受領されています。長年の夢が一歩前進したものと考えています。信念を持って研究を続けていられることに大変感謝しております。大学を追われて、身分の無い者でも、医局を出た人間でも、見てくれている人はいるんだなとしみじみ思います。明日からの診療の活力になります。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.06.30更新

若年者の癌

今朝、タレントのダンカンさんの奥さん(47歳)が乳癌の為、逝去されたニュースが流れていました。若年者の癌は今に始まったことではありませんが、働き盛りで子供を抱えている家庭が多いことから、大変深刻な問題となります。残された家族のことを思うと、胸がとても痛みます。癌は元々遺伝子異常で発生しますが、生まれつき異常を起こしやすい遺伝子を有していますと様々な環境因子などでその遺伝子が発現します。その結果、癌が発生しても体の免疫システムで異常な細胞と認識し排除します。しかし、何らかの理由(多くは加齢)でそのシステムが崩れますと癌は成長し、進行していきます。一方、免疫システムが過剰に働きますと、膠原病を代表とする自己免疫疾患にかかります。自分の正常な細胞をリンパ球が攻撃してダメージを与えるようになります。免疫が弱くてもだめ、過剰過ぎてもだめなのです。しかしただ一つ言えることはこのような現象は、いずれも子供の頃は起きにくいことです。すなわち、細胞が若ければ免疫のシステムは正常に保たれることが推測されます。細胞の若さを保つには不足しているビタミンを血液検査により判定し、不足分をまめに補充していく方法しか今のところないと思われます。このような治療が話題となっていますオーソモレキュラーダイエットなのです。この考えは非医学的かもしれませんが、この治療を受けている患者さんが良くなっているところをみると、一理ある考えなのかなと認識を新たにしています。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.06.24更新

CTC(Circulating Tumor Cells)について

わたくしのクリニックのある患者さんからCTCについて相談されました。CTCとは血液中に流れている癌細胞や癌幹細胞のことです。癌患者さんの流血中の癌細胞は転移再発の原因となると言われており、最近米国で流血中の癌細胞を検出する検査キットが開発され、話題を呼んでいます。私の患者さんはある早期癌で手術をされたのですが、再発の危険性を知るために念のため検査を受けたところ陽性と出てしまったのです。その後、免疫療法を受けられたのですが、血液中の癌細胞の数がなかなか減らず、このまま治療を続けるべきか悩んでおられました。私は別の検査会社での再検査を勧めたところ、果たして陰性でした。これは一体何を意味するのでしょうか。少なくとも本検査法に偽陽性あるいは偽陰性の可能性があるということです。FDAは本検査法を認可しているそうですが、その後の免疫療法までは推奨していません。少しでも検査結果に疑問を感じている方がおりましたら、是非、当院のセカンドオピニオン外来に相談してください。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.06.16更新

亜鉛と癌予防

先日、ある権威ある学会誌に亜鉛と癌の発生率に関するメタ解析の結果が記されていました。それによりますと、大腸癌の発生リスクは亜鉛を10mg以上/日摂取している群に有意に大腸癌のリスクが減少したというものでした。アジア人に限定して解析すると、更に食道癌や胃癌のリスクも減少させることがわかりました。亜鉛の推奨されている一日所要量は男性で12㎎、女性で9㎎と言われています。亜鉛の多い食品は牡蠣、牛肉、ゴマ、小麦胚芽などです。亜鉛は皮膚の傷や発疹が治るときに必要な微量元素ですので、よくひびわれなどに亜鉛軟膏を使用します。食品でなかなか摂取できない方には当クリニックで取り扱っていますサプリメントが鉄分を主体に亜鉛を含みますので、薬の副作用が気になる方にはお勧めです。

投稿者: みなと芝クリニック

2014.06.10更新

禁忌薬

先日、東京女子医大で2歳の男児が術後鎮静目的で使われた麻酔薬の副作用で亡くなるという痛ましい事故が起きました。この時使用されたプロポフォールという麻酔薬は小児では禁忌とされる薬でした。しかしながら、女子医大ではこれまでに15歳以下の子供63例に投与していたそうです。なぜこういうことが大学病院で起こりうるのかを考察してみました。私は恐らく”原則禁忌”という意識が現場にあったのではないかと思います。つまり、小児の鎮静を図る麻酔薬でプロポフォールよりも有効なものが見当たらない、学会等の報告で慎重投与すれば問題ないなどの理由から、使用していたと推測します。確かに63例中62例は問題なかったということなので、現場では使いやすい良い麻酔薬だったのかも知れません。でもこれが大学病院ではなく、一般病院であったらどうでしょうか。とても副作用が怖くて使用する麻酔医はいないでしょう。やはり、大学病院であればスタッフも大勢いますし、何かあってもすぐに対処できるという油断があったのかも知れません。甘えやおごりという言葉で置き換えてもいいかも知れません。私も大学病院のスタッフをしていた頃、これに似たような感覚があったような気がします。この事件は我々医師に対する警鐘と捉えて、反省をしていきたいと考えます。

投稿者: みなと芝クリニック


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