2014.10.10更新
肺炎球菌ワクチンについて
今年の10月から肺炎球菌に対するワクチンが定期接種の対象となりました。特に基礎疾患の無い方では65歳、70歳、75歳・・・と5年ごとにその年齢に達したときに自治体の補助を受けられます。ニューモバックスというワクチンです。このワクチンの有効期限は5年とされていますが、これは液性免疫を上昇させる効果しかないためたとえば、免疫強化を図るため2回接種してもワクチンの効果が強くなったり、持続期間が長くなることはないので、抗体が無くなる頃(5年)に再接種する必要があります。一方、今年の6月に認可されたプレベナー13という肺炎球菌ワクチンは細胞性免疫を上昇させるため、免疫強化(ブースター効果)が期待できますので、有効期間も長くなります。心配されている副作用も今までの報告と因果関係が無いことが証明され、安全性は確認されました。ニューモバックスと比較して自治体の補助は受けれず少々値段は高いですが、66歳から69歳など補助の対象年齢から外れている方は最初はプレベナー13の接種をされ、対象年齢に達したときにニューモバックスを接種されるのがいいのではないでしょうか。当院も10月からプレベナー13を取り扱っていますので、お問い合わせください。
投稿者:
2014.10.06更新
予防接種のタイミング
今年もインフルエンザの予防接種の時期が参りました。いつ頃したら良いかという問い合わせをよく聞きます。そこで私なりの見解を述べます。この見解はあくまでも私の経験であり、科学的根拠のない部分もありますのであしからず。子供さんの場合は毎年流行が成人よりも先行しますので、10月に初回の接種をお勧めします。幼児や学童低学年では免疫を得る力が弱いとされていますので、強化(ブーストといいます)のため1か月後までにもう一度接種されることが推奨されます。これで12月から1月の流行はカバーされます。しかし、2月、3月の流行時期には免疫が落ちていることがありますので、自分のお子様がその頃にインフルエンザに罹ったことがあるなら、1月ごろに再接種もありかなと思います(この時は1回でいいと思います)。成人では11月ごろに接種すれば、12月から2月ごろまでカバーできると思いますが、高齢者の場合は1月ごろに2回目を接種するか、子供さんのようにブーストした方が良いかなと思います。持病(糖尿病、膠原病や慢性閉塞性肺疾患)をお持ちの方、抗がん剤投与されている方は初回はブーストが望ましいでしょう。ワクチン接種はその人に合ったパターンがあっていいと思います。いつでもご相談ください(メールは無料相談です)。
投稿者:
2014.09.30更新
食塩感受性高血圧
このひと月、バタバタしておりまして、久し振りの書き込みとなります。最近、高血圧症の患者さんを診ておりまして、塩分制限をどの程度勧めるべきか考えています。日本人の高血圧症の患者さんのうち約40%が食塩感受性高血圧と言われています。食塩を摂りすぎると腎臓でのナトリウム再吸収が促進され、循環血漿量が増して血圧があがります。従って、食塩摂取量を日本人の平均食塩摂取量の半分くらい(約6グラム)にする必要がありますが、一気に減らしますと気力減退や疲労などの症状が出ますので、途中で挫折してしまいます。塩分制限は長年の習慣もありますし、外食が多いと難しいのが実情です。食塩感受性があるか無いかの判断はある程度問診などで可能です。本疾患が疑われた場合は、塩分制限指導を行い、ナトリウム排泄を促進する降圧剤を使用します。血圧の薬を服用してもなかなか下がらない方、塩分制限が出来ない方は一度当院にご相談してください。
投稿者:
2014.09.18更新
救急医療現場の矛盾
救急病院で休日の日当直業務をこなしていますと、医療の矛盾を感じることが間々あります。一般に救急車を依頼するときは患者さん本人が動けないほど苦痛を伴うことが多いと思います。従って救急医療管理加算(800点)という高い点数がつきます。しかし、現実はそれほど重症感のない患者さんも様々な理由で救急搬送を依頼しています。ドクター側としては先入観を持たずに診察をしますので、たとえば「胸が痛い」や「胸が苦しい」というと、心電図や胸部X線撮影だけでなく、胸部CTの検査をします。また、「頭が痛い」、「ふらつく」などの訴えがありますと、頭部CTの検査をします。初診であればもちろん、血液検査はすべての項目でします。特に胸の症状があるときはトロポニンテストという心筋梗塞を除外する検査も行うことがあります。患者さん側も心配しますが、それ以上にドクター側も見逃したら訴訟になってしまうかも知れないという気持ちがありますので、できる検査はすべてやった方が無難という心理が働きます。まあ、普段の日の診療ならばそういう気持ちにはならないのでしょうが、仕方ないのかなと思います。何が言いたいかと申しますと、医者が不安を取り除くために過剰診療している可能性があるということです。これは擁護するわけではありませんが、社会全体の責任でもあるでしょう。医療費削減を声高に言うのであれば、このような救急医療の実態も国が改善していかなければなりません。未明の診察室でふと思いついた独り言でした。
投稿者:
2014.09.08更新
平均寿命
7月に既に発表され、皆さんはご存知かと思いますが、女性の平均寿命が86.61歳と更に上がって連続世界一となっています。赤ちゃんが生まれた時に期待できる寿命が86歳を超えているのです。老後が長いということはそれだけ自分の力で身の回りのことをしなければなりません。これからは健やかにどうやって老いるかということが医療のテーマになってきます。なぜ、女性を話題にさせていただいたかと申しますと、老化は肌だけではなく気が付かないうちに骨にも、ひたひたとあなたの足元に近づいているからです。若いうちはひたすらお肌のケアをしますが、50歳を過ぎる頃から閉経によるホルモンバランスが崩れ、いわゆる更年期障害を起こしてきます。この時点では顔がのぼせるとか、いらいらするとか女性ホルモンの欠乏による症状が出てきます。そして、ある程度時間が過ぎると症状は改善し、安定してきますので、女性ホルモンの欠乏していることを忘れてしまいます。しかし、女性ホルモンは骨からのカルシウムの喪失を防ぐ作用がありますから、欠乏しますと骨密度が低下しいわゆる骨粗しょう症に至ります。放置しておきますと、骨折や腰痛症の原因となり、寝たきり状態となってしまいます。それでは健やかに老いるとはいえず、平均寿命までの長い期間、介護を受けざるを得ません。そうならないためにも、閉経後から骨粗しょう症対策は入念に行うべきです。簡単な血液と超音波による骨密度の検査で骨の状態が把握できますので、気軽な気持ちで受診してみて下さい。
投稿者:
2014.08.29更新
ペストコントロール
皆さん、ペストコントロールという言葉を聞いたことがありますか。日本ではあまりなじみのないもの?シロアリの駆除で聞いたことがあるかも知れません。害虫駆除のことをいいます。アメリカにいたときにペストコントロールは盛んに行われていました。アパートの周囲や研究所内の中庭には全くと言っていいほど、蚊がいませんでした。日本と違ってアメリカの虫は猛毒を持っていますので、生死に関わります。しかし、先日、日本でもデング熱の国内感染者が70年振りに発見されたというニュースがありました。しかも、代々木公園で蚊に刺された2名が発症したのです。デング熱はヒトスジシマ蚊(日本に生息)を媒介として感染しますので、デングウィルスを持つ蚊が代々木公園にいたということです。どういう経路でデングウィルスが侵入してきたかはわかりませんが、そこにいる可能性がある以上駆除しなければなりません。代々木公園のみならず、周辺の藪や植え込みの周囲なども対象になるでしょう。自宅に庭がある方は業者にペストコントロールを頼むと良いでしょう。東京都も蚊のサーベイランスを早急に行っていただき、市民に安心を提供して欲しいと思います。
投稿者:
2014.08.22更新
夏バテとクーラー病
投稿者:
2014.08.09更新
記念誌
私が評議員を務める日本胆道学会は今年50周年を迎えます。それを記念して学会では記念誌を発刊することになりました。執筆者として歴代の胆道学会賞受賞者に受賞の背景とその後を書いていただき、今後の胆道学会の運営に反映させることになりました。幸運にも私も歴代受賞者でしたので、執筆依頼がきました。先月の25日に原稿締切でしたが、今年の11月に発刊予定だそうです。私の研究のこれまでのいきさつを書かせていただきました。今思うと、いろいろあったなーと感慨深げになります。開業医のわらじを履く一研究者としての在り方をこれからも示して行きたいと思います。発刊後、本ブログに公開しますので、楽しみにしてください。
投稿者:
2014.07.31更新
論文の受理
以下のタイトルの論文が受理されました。「Overexpression and Gene Amplification of EGFR, HER2, and HER3 in
Biliary Tract Carcinomas, and the Possibility for Therapy with the HER2-Targeting Antibody Pertuzumab」日本消化器病学会の英文誌です。胆道癌治療の新たな可能性を示唆した内容です。多くの共同研究者を始め、様々な方の協力の上、達成された研究です。日本だけでなく世界中に研究成果を広め、一人でも多くの患者さんを救うことができるようにしていきたい。まずは動物実験、そして臨床試験。夢は広がるばかりです。この10年をかけて成し遂げることをここに宣言します。
投稿者:
2014.07.25更新
慢性腎臓病の特効薬?
慢性腎臓病は放置したままでいると、腎不全に移行しやがて透析治療が必要になってしまう病気です。原因の多くは糖尿病といわれています。今までは慢性腎臓病に対しては血糖のみならず、血圧のコントロールを良くすること、塩分摂取を控えることなどがありましたが、最近、慢性腎臓病になるメカニズムに基づいた治療薬が申請されることになりました。尿をアルカリ化することにより傷ついた腎臓を修復する薬です。実はこの薬は以前より尿管結石を予防する薬として製造されていたものですが、近々慢性腎臓病の方にも使えるようになるそうです。糖尿病患者さんでタンパク尿が出始めた方は早目にご相談ください。
投稿者:
ARTICLE
SEARCH
ARCHIVE
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年1月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年3月
- 2021年12月
- 2021年10月
- 2021年1月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2019年12月
- 2019年8月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2018年12月
- 2018年5月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2011年6月