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2015.07.28更新

専門家

新国立競技場の件で大変もめていますが、デザインを決定された建築デザインの専門家は、建設にかかる費用や維持費は専門家ではないのでわからないし、考えもしなかったような内容の発言をしていました。これを医師と患者さんで置き換えてみますと、たとえば消化器外科の専門医が手術することだけ考えて、患者さんの負担する費用やその後の生活のことはわかりませんというのと似ているなと思いました。もちろん、病気を治すことが第一ですから、命に関わることなら仕方がないので、新国立競技場とは比較にならないと言うかもしれませんが、命に関わらないレベルの治療においてもそう言えるのでしょうか。私はそうとは思いません。患者さんの背景も考えながら最良の治療法を選択することが、本当の専門家ではないでしょうか。「木を見て森を見ず」という格言を散々聞かされているにも関わらず、木しか見ない専門家が多すぎるような気がします。私はそういう意味も含めて、診療科を多岐にわたって患者さんを診ることを心掛けています。専門家のいうことに少しでも疑問を感じたら、是非ご相談ください。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.07.11更新

リニューアル

皆さん、ドクターズファイルというサイトをご存知でしょうか?もう既に見られた方が多いと思いますが、当クリニックも掲載しております。ホームページだけでは伝えられないクリニックのコンセプトを院長の経歴も含めて記載しています。クリニックの雰囲気を知るには良いサイトだと思います。昨年12月に移転しましたので、内容を一部刷新しております。診療科が増えたことと、7月末から大腸内視鏡検査を開始することを特記しております。当クリニックは都心でも数少ない総合的な診療を行い、地域医療に貢献することを目指しております。専門医にも引けを取らない気持ちで、日夜研鑚しております。これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.06.19更新

ピロリ菌除菌後の再感染

日本では2年前よりピロリ菌感染のある萎縮性胃炎に対し、除菌治療が保険適応となりました。胃癌予防の観点から除菌者は増加すの一途を辿っていますが、患者さんから最近よく質問を受けるのが除菌後の再感染についてです。そこで最近の知見をお話いたします。現在の日本は水道事情が良くなり、井戸水を引用で使用している人はほとんど無くなりましたので(特に若い世代)、再感染はまずないと言えます。しかし、1年以内に再発した場合は、再感染というよりも除菌判定が偽陰性だったための除菌失敗が理由だそうです。従って、除菌したからといって安心はできないそうなので、1年後に再検をするのが望ましいそうです。一方、除菌後1年以上経ってからの再陽性は新たな感染をしたと考えられます。井戸水を飲用にしていたり、海外のピロリ菌汚染地域で生水を飲んだりすると感染することがあります。ただし、家族間では普通の接触をしている限りでは感染しませんのでご安心ください。当院では尿中ピロリ抗体の迅速検査(約20分)を行っています(自費で2000円(税抜))ので、どうぞお問い合わせください。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.06.01更新

過敏性腸症候群

ストレスの多い日本の環境に加えて、食習慣の欧米化などで最近富に過敏性腸症候群の方が増えているようです。ご存知のように、過敏性腸症候群は大きく分けて、便秘型、下痢型、便秘と下痢を交互に繰り返す交替型がありますが、それぞれ粘液便を伴うもの、ガスが異常に発生するものが含まれます。先日、イリボーという男性の下痢型過敏性腸症候群にしか適応のなかった治療薬が、女性にも適応拡大されたというニュースがありました。女性で本疾患でお悩みの方に朗報ですね。また、自分の腸内にいる細菌を調べることによって、生活のどういう点に注意したら良いかが分かるようになってきました。昨日のテレビ番組でも芸能人の善玉菌、悪玉菌、日和見菌の割合を調べて解説していました。当院でも調べることができますので、イリボーの相談も兼ねていかがでしょうか。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.05.29更新

肛門のかゆみ

最近、季節がらでしょうか肛門のかゆみを訴える方が増えています。原因は様々ですが、多くはかくれいぼ痔のある方です。痔がありますと、排便時に多少脱出し排便後も完全に還納しませんので、十分便を拭ききれない、あるいはウォシュレットで洗いきれない便汁成分が肛門周囲の皮膚に炎症を起こしてしまうのです。もう一つの原因は、過去に痔の症状があり今は納まっている方、特に女性に多いのですが、肛門に皮垂といって皮膚にしわが寄って鶏のトサカのように飛び出ているところに炎症を起こしてかゆみや不快感が生じyていることがあります。治療はかくれいぼ痔があれば、ジオン注で治療し、皮垂があればこれを局所麻酔をしてトリミングをします。いわば、肛門美容外科といった感じでしょうか。もちろん、保険は効きますので安心してください。このような症状でお悩みの方がいれば、当院にご相談ください。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.05.25更新

口から泡を吹く

「泡を吹かせる」という言葉があります。相手をあわて驚かせるときに使うようですが、泡ははひどく驚いているときに口から出るようです。先日、危険ドラッグを他人から飲ませられて意識障害を起こした患者さんを診ました。瞳孔は半開き状態で、眼振がありまぶたが不随意運動を起こしてました。口からは多量の泡状の唾液が排出されていました。酸素濃度は99%ルームエアーで保たれていましたので、呼吸は問題ありませんでした。しかし、なぜ口から泡がでているのでしょう?別に驚いている状態でもないので、別の理由であることが推定されます。唾液の分泌が亢進しているのでしょうか。嚥下が制限されていますので、口腔内に唾液が溜まります。呼気は鼻からだけでなく口からも行われてるので、舌の不随意運動などにより唾液が振盪されて泡が発生するのかも知れません。患者本人は耳は聞こえるようですが、しゃべることができないようです。この方は点滴を数時間行っているうちに意識が完全に戻り、回復しましたが、ほんの少量のドラッグでこんなにもラリッてしまうのですね。運が悪いと命も落としかねませんし、場合によっては事故を起こして他人の命まで奪ってしまいます。警察によると規制は厳しくなっているものの、こういう事件は後を絶たないようです。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.05.09更新

ラクナ梗塞

最近の日本人の食生活の欧米化により、脳梗塞が増えています。頸動脈や脳の太い血管内にコレステロールがたまり、動脈に粥状硬化が生じるため、そこにプラーク(血小板の塊)が形成されて血管が詰まって起こります。一方、日本では昔からラクナ梗塞という脳梗塞が多いことが知られており、現在でも脳梗塞全体の35~40%を占めると言われています。ラクナ梗塞の原因は高血圧と低栄養による動脈硬化と考えられています。直接、命に関わる状態ではないのですが、多発すると痴呆の原因になるとも言われています。ラクナ梗塞が見つかると、再発予防のためバイアスピリンなどの抗血小板作用のある薬剤を投与されるケースが多いように思われますが、ラクナ梗塞の20%に脳出血が発生するという報告もありますので、その投与は慎重に行うべきという意見もあります。しかし、ラクナ梗塞の発生機序を考えればまず血圧を適正範囲にコントロールし、低栄養状態を改善することで抗血小板薬なくしてその発生を未然に防げるでしょう。低栄養とはすなわち動物性タンパク質や脂肪不足であり、もっと肉を食べるということです。えーっ、肉を食べるとコレステロールや尿酸が上がっちゃうと思うかも知れませんが、極度の制限は却って病気の発生を進めてしまうのです。塩分を控え、水分をしっかり摂ることも重要です。やせ型で血圧が高目の方はラクナ梗塞に注意してください。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.05.07更新

マリアアザミ(オオアザミ)

皆さん、マリアアザミをご存知ですか?英名はmilk thistleです。花弁にミルクを垂らしたように見えることからこの名が付いたそうです。古くから肝臓に良いと言われていまして、米国ではその効能をFDAも認めているようです。シリマリンという成分がデトックス効果により肝細胞のダメージを防ぎ、更に肝細胞の再生を促すということです。最近では抗癌剤の副作用による肝障害を抑制、改善するという論文が発表されました。抗癌剤や放射線治療後の肝障害を改善する薬はなかなか見当たらなくて、いつも頭を悩ませていましたが、このアザミが一つの改善策になる可能性があります。当院ではこのアザミのシリマリンを抽出したサプリメントを提供しております。その他肝炎や肝硬変の肝臓にも効果があると言われています。肝疾患でお悩みの方の相談を随時受け付けておりますので、ご検討ください。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.04.25更新

医師のモラルと名声

ここのところ、医師に関する不祥事のニュースが話題になっております。私が所属している東京女子医科大学病院も特定機能病院の資格をはく奪されるようです。これらのニュースを見ていますと聖マリアンナのケースを除いてすべて医師が名声あるいは業績をあげようとした動機が感じ取れます。女子医では麻酔薬の人体実験のようなもので、これでデータが取れれば論文が一本書けます。腹腔鏡手術は誰もが行ってない領域で自分がやって成功すれば、教授になれるかもしれない。大義名分は高度な医療で患者さんを治す方法を開発するためとしていますが、つまりは人体で練習をしているに過ぎません。と、言われても仕方がないことです。私も大学にいたときは、周囲にそういう感覚はあったと思います。早い者勝ち、抜け駆けといった感じです。本当に才能がある人がすれば一度や二度の失敗はあるかもしれませんが、三度目の正直で失敗は繰り返しません。尊い命を相手にしているのですから、生命に関わるような手術は慎重に検討し、一人の暴走を許してはいけません。医療界全体が取り組む問題ですが、体制にも問題がありますので、そう簡単には解決するものでも無いかもしれませんが、我々医師一人一人がこれらの事件をきっかけに襟を正していく必要があります。今後の成り行きに目を光らせていきたいと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.04.10更新

やっと念願がかないました

パーツツマブという分子標的治療薬を用いた胆道癌に対する新しい治療法の開発は私の長年の夢でした。今まで日本消化器病学会や日本胆道学会、および国際学会で数多く発表して参りましたが、この度やっと学会誌にパブリッシュされました。オンラインジャーナルには既に出ていましたが、印刷物として世に出ることになりました。これをステップとしてヒトへの臨床研究に弾みがつくことを願って止みません。Journal of Gastroenterology (2015) Volume 50 Number 4: 467-479

投稿者: みなと芝クリニック


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