クリニックブログ

2016.06.30

ジカ熱と虫よけの話

今、ジカ熱ウィルスが関心を集めてます。妊婦さんが感染すると子供が小頭症になる異常が表れます。その頻度は妊娠初期(20週未満)の感染で10人に1人だそうです。小頭症になると精神発達遅延となりますので、これから妊娠を考えている方は、感染地域の旅行は避けるべきでしょう。そうはいっても、蚊が媒介しますので、海外で感染した人が日本で蚊に刺されますと、刺した蚊が他人へウィルスを広げてしまうのです。これからリオオリンピックが始まって、感染した人が日本に入国してきた場合、、日本にいても決して安全とはいえなくなるのです。水際で防ぐのが困難である以上、唯一の予防は蚊に刺されないようにすることです。現在、ワクチンは開発中のため実用化にはまだ時間がかかるようです。虫よけ剤を使うのが最も一般的でありますが、市販の虫よけの多くにディートという化学物質が含まれています。このディートは濃ければ濃いほど虫よけ効果が高いことが分かっています。最近、厚労省は規制を緩和して、高濃度のディートを含む虫よけ剤を認可する方針を打ち出しました。ただし、お子さんや妊婦さんへの安全性が確立していないので(神経障害やけいれん、発疹等)、外国の一部ではそれらの方への使用を禁止しているところもあります。ハーブ系の虫よけは安全ですが効果が少ないようです。ディートよりは効果がやや劣りますが、国内で副作用の少ないイリカジンを配合した虫よけ剤が認可されています。ディートが心配な方は、イリカジンでジカ熱対策をすることをお勧めします。長くなりましてすみません。

投稿者: みなと芝クリニック

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