2014.06.10更新
禁忌薬
先日、東京女子医大で2歳の男児が術後鎮静目的で使われた麻酔薬の副作用で亡くなるという痛ましい事故が起きました。この時使用されたプロポフォールという麻酔薬は小児では禁忌とされる薬でした。しかしながら、女子医大ではこれまでに15歳以下の子供63例に投与していたそうです。なぜこういうことが大学病院で起こりうるのかを考察してみました。私は恐らく”原則禁忌”という意識が現場にあったのではないかと思います。つまり、小児の鎮静を図る麻酔薬でプロポフォールよりも有効なものが見当たらない、学会等の報告で慎重投与すれば問題ないなどの理由から、使用していたと推測します。確かに63例中62例は問題なかったということなので、現場では使いやすい良い麻酔薬だったのかも知れません。でもこれが大学病院ではなく、一般病院であったらどうでしょうか。とても副作用が怖くて使用する麻酔医はいないでしょう。やはり、大学病院であればスタッフも大勢いますし、何かあってもすぐに対処できるという油断があったのかも知れません。甘えやおごりという言葉で置き換えてもいいかも知れません。私も大学病院のスタッフをしていた頃、これに似たような感覚があったような気がします。この事件は我々医師に対する警鐘と捉えて、反省をしていきたいと考えます。
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2014.06.02更新
衣替え
今年も記録的な暑さで始まった6月。衣替えが躊躇なくできます。当院も5年目を迎えるにあたり、標榜科の衣替えを行います。とはいっても、従来の診療科に整形外科と皮膚科を追加するだけなのですが、元々私は一般外科の出身なので、腰痛症や末梢神経障害、変形性関節症の患者さんを診ていましたし、おできやいぼ、ウオノメなどの外科的処置の必要な皮膚科疾患も数多く診ていました。内科系の患者さんでその都度、膝の痛みや腰の痛みで整形外科へ行ったり、いぼやウオノメで皮膚科に罹るのは大変だと思います。もちろん、湿疹や虫刺されなどはお子様やお年寄りの方は日常茶飯事ですから、次いでに診察できれば便利ですし医療費の節約にもなると思います。そこで、あえて標榜することにより、受診しやすくするようにしました。専門性の高い疾患はすぐに大学病院等の高度医療機関に紹介しますので、遠慮なく相談してください。序でに診療時間も15時からになりますので、宜しくお願いいたします。
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2014.05.30更新
レセコン
当院では6月より医療コンピュータを新しくします。現在のシステムから将来的に電子カルテに移行するために変更します。この切り替えが結構大変で、業者さんと毎晩打ち合わせをしています。慣れ親しんだシステムから変更するので、事務員には相当な負担とストレスをかけますが、将来楽になるんだと言い聞かせて、頑張ってもらっています。しかし、簡単に移行できるものと思っていましたが、実際はメーカーが違うと互換性が少なくとまどうことばかりです。こんなはずじゃなかったの連続です。最初は不慣れなため、患者様にはご迷惑をおかけしますが、早くスムーズに事務処理ができますよう努力しますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
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2014.05.20更新
食物アレルギー
最近、学校からアレルギーの検査をして、何にアレルギーがあるか調べてくるように言われる子供さんが増えています。2012年の学校給食における事故以来、学校側の対策指導によるものと思われます。アレルギーと言いましても蕁麻疹の軽いものからアナフィラキシー反応という呼吸困難やショックを引き起こす重症のものまでいろいろありますが、後者の反応を起こした時はすぐにエピネフリンというショックを軽減する注射をすることが救命に繋がります。現在はエピペンという注射キットが販売されておりまして、使用方法の講習を受けた一般の方でも使えるようになっております。学校にも常備されていますが、アレルギーのある子供さんがいる家庭内でも常備可能です。当院もエピペンの取り扱い認定を受けているクリニックですので、いつでも処方できます。食物アレルギーのお子さんを持つご家庭の親御様は一度、相談されますことをお勧めします。
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2014.05.13更新
降圧目標
今年になって高血圧患者さんの血圧の治療目標が変わりました。74歳以下の方は家庭での血圧が薬を服薬して、上収縮期)が125
未満、下(拡張期)が80未満だったのが、2014年からは上が135未満、下が85未満となりました。75歳以上の方は145/85まで基準が引き上げられました。すなわち基準が緩和されたのです。これまでのおびただしい数の健診結果から、脳卒中や心疾患の合併頻度を洗い直した結果だそうです。基準が緩和されましたので、無用な降圧剤の服用は抑えられますので大変良いことだと思いますが、油断して患者さん本人が塩分を摂りすぎたり、体重を減らさなかったりするのでしたら、逆効果になってしまいます。むしろ基準が緩くなった分、薬に頼らない食事・運動療法が重要になったと捉えるべきです。当院では降圧薬に頼らない治療も提案していますので、お尋ね下さい。
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2014.05.09更新
前立腺肥大症の新薬
私も50を過ぎ、そろそろ尿の出具合が気になる年ごろとなりました。先般もお話したかもしれませんが、前立腺肥大症は痔の悪化因子となりますので、再発しないためにも気になるところです。今年、4月に上記新薬が発売となりました。特徴は元々EDの治療薬で開発されたのですが、前立腺肥大にも効果があるということで、容量を少なくしての内服となります。長期に服用していますと少量でもEDに効果があるそうです。こういう話を聞くと飛びつく方もいるかもしれませんが、適応が国際前立腺症状スコアの基準を満たすことと、エコー検査である一定以上の大きさがあることが条件のようです。しかし、我々の年になりますと両方を解決してくれるこの新薬は朗報には違いありません。両方でお悩みの方は、当院では泌尿器疾患も診ておりますので、どうぞご相談ください。
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2014.05.02更新
タイの医師御一行様来日
ゴールデンウィークの前半に私のタイドクターの友人が家族とともに再来日しました。ドクターは日本の学会に招聘され、そのあとに私どもと観光・ショッピングをするということでした。初日の夕食は近所にあるお好み焼き屋さんでもんじゃ焼き初体験をしていただきました。ちょっとくろうと向けかなと思ったのですが、意外にも大好評でした。4日ほど滞在しましたが、その中で痔の注射治療をタイでできないかという話になりまして、病院の確保とタイ政府の許可があれば可能だということから、早速来年に向けて準備を開始することになりました。私の夢である日本の医療技術の一つを海外に広めるチャンスだと思います。元々、大学院生時代、つくば市のJICAで活動していた経緯もあり、海外支援という形で携われればいいなと考えています。
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2014.04.25更新
糖尿病新薬
4月より新しい糖尿病治療薬(SGLT2阻害剤)が使用できるようになりました。尿中に余分な糖を排泄することで、血糖を下げる薬です。尿の量が増えるので、体重が減少するそうです。当院では早速この新薬を使い始めました。特にむくみのある患者さんにはむくみが取れて評判がいいようです。今までに様々な糖尿病治療薬が使用されていますが、これらの薬と組み合わせることにより効果が期待されます。当院ではかなり進行した糖尿病の患者さんでも、インスリン治療せずに内服治療のみで好成績をあげています。インスリン治療から離脱できた患者さんもいて、大変感謝されております。作用機序を熟知し、患者さんそれぞれの状態に合わせて薬を組み合わせることで可能となります。今や糖尿病はコントロールさえきちっと行えば、怖くない病気です。HbA1cが7以下になかなか下がらない方は是非一度当院の門をたたいてみてください。
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2014.04.22更新
論文
今年は私が関連した英文論文が予定では4報出る予定です。今まで60報ほど出ており、和文は3~40報ほどあります。ここまで、増やせたのはひとえに共同研究者の方々のおかげと思っています。論文は一人の力だけで書くのは困難です。論文は様々なデータの上に成り立っていますが、それぞれのデータは信頼のおける共同研究者によって出されます。筆頭著者は研究の司令塔であって、それぞれのデータをまとめて論文を作製する責任があります。膨大な研究費と時間、および労力が費やされているため、次の研究費を獲得するために論文を出すことは、研究者にとって大変重要な業務です。従って真剣勝負なのです。妥協や誤魔化しは効きません。先日の某研究者による騒動は様々な要因が考えられますが、相当あわてて論文を作製したのではないでしょうか。期限を決められ、指導者からもっとわかりやすいデータを要求されたので都合のいいデータや画像を組み合わせて提出したのかもしれません。もしかしたら、見切り発進的な内容だったので実験が間に合っていなかったかもしれません。それを間に合わせるために過去のデータを使うことも考えられます。上司の満足する顔を見たいがため、それとも早くプレッシャーから逃れたいためかも知れません。別に擁護する気持ちはありませんが、私の経験上察するにこんな状況ではなかったのかなあと思いました。後進のためにも事の真相の早期解明を願う次第です。
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2014.04.18更新
医師資格証
先日、ひょんなことからある会合で医師資格証のことを知り、早速申請しました。医師は開業しますと身分証明書(勤務医や大学病院では職員証?にあたる)がありませんので、日本医師会が発行する本証は有難いことだなと思いました。元々はニセ医師防止や患者個人情報の保護を目的としたもののようですが、私としては自分が医師であることを証明する唯一(医師免許証はありますが、顔写真がありません)のものです。医師会会員でなくても申請できますし、発行手数料も高くありません(賛否両論はあるようです)ので、所持する医師が増えればステイタスも付いてくるものと思われます。みなと芝クリニックのカラーのブルーと同じ背景なので気に入ってます。
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