2012.07.19更新
ワークショップ
秋の日本胆道学会のワークショップで発表演者に選ばれました。タイトルは「寄生虫関連肝内胆管癌におけるCOX-2 – HER family pathwayの検討」です。タイ国では肝吸虫による肝内胆管癌の発生が多いことで知られています。そこで、タイの患者さんと日本の患者さんで癌の発生過程の違いがどこにあるのかを研究した結果を発表します。日本では肝内胆管癌の原因ははっきりわかっていませんが、最近、印刷機械の洗浄液の成分が胆管癌の原因ではないかと報道されましたね。その他にもウィルス性肝炎の可能性も指摘されています。それぞれの癌の成因が解明できれば、治療法や予防法の開発が可能となると思います。自分の研究がその一助になればいいなと考えて、頑張っています。
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2012.06.23更新
先制医療
最近、「先制医療」という言葉を耳にするようになりました。先制医療とはひらたく言うと、病気になる前に治療をして病気にならないようにすることです。みなさんは病気ではないのになぜ治療が必要かと思われるかもしれません。病気はいきなり罹るものではなく、必ず前段階の状態があります。前段階を正常化(治療)することにより、病気を防ぐのです。その代表的なものが糖尿病です。糖尿病の多くは耐糖能異常から始まり、境界型糖尿病を経てなります。耐糖能異常や境界型糖尿病の段階で治療介入することにより、糖尿病にならずに済むようになります。空腹時血糖やHbA1cが高目と健診で言われたら、すぐに対応されることをお勧めします。当院でも生活習慣病に関わる様々な相談を受けておりますので、気軽にお問い合わせください。
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2012.06.07更新
第3位肺炎
昨日、AKBの総選挙があり、1位に返り咲いた方もいて大変盛り上がっていましたね。ところで5日に厚労省が発表した日本人の死因に肺炎が第3位に1951年以来、返り咲いたそうです。私が思うには、当時の喫煙率は60%を越えていて、その頃20歳で喫煙始めた方は現在81歳となっていますから、タバコが原因の肺気腫になって肺炎を併発した方が多いのでないかということです。もしそうだとすれば、今後ますます肺炎で亡くなる方が増えることが予想されます。禁煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発見予防の重要性が問われるようになってきました。当クリニックは禁煙およびCOPD対策も行っておりますので、どうぞご相談ください。
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2012.05.24更新
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
先日、政府は喫煙率を2010年の19.5%から2022年までに12%へ減らす目標を閣議決定するとしました。がん対策の一環ということですが、5月31日の世界禁煙デーを睨んだパフォーマンスかな?とも思います。COPDの9割ぐらいの原因がタバコと言われていますので、肺がんを始めとした悪性腫瘍の予防も重要ですが、COPDの予防はかなり医療費の節約になることが予想されます。COPDはいわゆる肺気腫や慢性気管支炎などで、進行すると日常生活において酸素ボンベが必要となるほど、息苦しくなります。若い年代で禁煙すれば、肺機能は治療で回復しますが、年を取れば取るほど回復は困難になってきます。私どものところでは禁煙治療を行っておりますが、COPDを早期発見するために6月より呼吸機能測定器を導入します。もし、東京オリンピックが開催されたら、公けの場でタバコを吸うことは世界の恥になりますので、政府は禁煙目標を徹底させて欲しいですね。
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2012.05.19更新
胆管癌
先日、NHKの21時のニュースで、ある校正印刷会社の社員数名が胆管癌に罹患して亡くなられたことが報道されていました。男性の胆管癌の好発年齢は70歳前後ですが、今回の患者さんは30~40歳前後とかなり若かったため、研究機関が原因究明に乗り出したそうです。胆管癌は肝吸虫感染の多い地域で多発することが知られています。今回の調査で新たな原因が究明されれば、胆管癌発生メカニズムの一つが解明される可能性があります。私の研究にも是非応用したいと考えています。
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2012.05.10更新
五月六日
この日はたまたまつくば市にいたのですが、午後、雷雨がありニュースであの竜巻を知りました。北条の町には筑波山神社の旧道の入り口があり、古い町並みの残る風情のあるところです。近くには桜のきれいな北条大池や平沢官衛跡など風光明媚な場所でもあります。つくばに居た頃はよく遊びにいきました。あの町並みが一瞬のうちに破壊されたかと思うと、心切なくなりました。一刻も早い被災地の復旧を願いたいと思います。また、被災者には何らかの方法で支援したいという気持ちでいっぱいです。
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2012.04.27更新
ある日本人外科医の信条
先日、読売新聞にコロンビア大学の日本人外科教授の記事が掲載されていました。誰もが不可能と考えられていた手術を成功させたということです。彼はその中で「例がないからこそやる価値がある」、「Noから始めない」というのを信条としているそうです。翻って、私は道こそ異なりますが、癌の研究を継続している立場から、この信条に共通点を感じました。一般に、癌は治るはずがない、癌を治すことは無理に決まっているという観念が研究者や臨床家の間にあるのは否定できません。しかし、それでは新しい治療法の開発はできないと思います。なぜ、無理と考えるのか、無理を克服するためにはどうしたらよいのか、そこを追及していく必要がある。前例にとらわれない発想を心掛けていきたいと気持ちを新たにしました。
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2012.04.19更新
そもそも顕微鏡がある理由
私が2年目の研修医を終えるころ、ある病院の外科に配属されていました。朝の回診時に胃癌の患者さんの病理組織診断の報告書が戻ってきており、その内容について先輩医師(執刀医)が「ss, int, INFβと記載されているが、川本先生この意味知っている?」と聞かれました。答えられなかった自分が恥ずかしく(なぜなら消化器外科医を目指していた)、その後、大学院にいって病理学を猛勉強しました。この意味不明のアルファベットは実は癌の特徴(進行度や悪性度)を推測するものでした。おかげで外科医時代は病理標本を自分なりにみてから、結果を患者さんに説明できるようになりました。今でも病理所見を自分の目で確かめるために、クリニックに顕微鏡を置いている理由です。
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2012.04.13更新
AACR報告
先日のAACRから共同演者の先生が帰国し、その時の様子の報告がありました。私のポスターの前には30~40人の参加者が集まり、熱い討論を交わしたそうです。また、20人から原稿内容のコピーの催促があったそうです。もう、驚きの一言です。今まで、何回となく発表してきましたが、こんなリアクションは初めてです。うれしいと同時に、この分野(胆道癌の分子標的治療)の関心が米国内でも高まっているのだなと感じました。研究の意欲が更に高まってきました。早く論文にしなくてはいけませんね。頑張ります。
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2012.04.10更新
生活習慣病外来と肛門科
現在、私は月に2回ほど日曜日にある病院に手伝いに行っております。その病院では肛門科を主に消化器科を担当しているのですが、最近、生活習慣病外来をしてほしいと依頼があり、始めました。この組み合わせは奇異に感じられると思いますが、実は肛門疾患も生活習慣に大いに関わるのです。一般に生活が不規則な方ほど食事も不規則になり、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症になりやすく、また便秘がちあるいは下痢気味になる傾向があります。そのため、痔になりやすくなります。規則正しい生活を心掛けることが痔の予防になりますので、メタボの気があると言われた方は注意しましょう。
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