2014.06.30更新
若年者の癌
今朝、タレントのダンカンさんの奥さん(47歳)が乳癌の為、逝去されたニュースが流れていました。若年者の癌は今に始まったことではありませんが、働き盛りで子供を抱えている家庭が多いことから、大変深刻な問題となります。残された家族のことを思うと、胸がとても痛みます。癌は元々遺伝子異常で発生しますが、生まれつき異常を起こしやすい遺伝子を有していますと様々な環境因子などでその遺伝子が発現します。その結果、癌が発生しても体の免疫システムで異常な細胞と認識し排除します。しかし、何らかの理由(多くは加齢)でそのシステムが崩れますと癌は成長し、進行していきます。一方、免疫システムが過剰に働きますと、膠原病を代表とする自己免疫疾患にかかります。自分の正常な細胞をリンパ球が攻撃してダメージを与えるようになります。免疫が弱くてもだめ、過剰過ぎてもだめなのです。しかしただ一つ言えることはこのような現象は、いずれも子供の頃は起きにくいことです。すなわち、細胞が若ければ免疫のシステムは正常に保たれることが推測されます。細胞の若さを保つには不足しているビタミンを血液検査により判定し、不足分をまめに補充していく方法しか今のところないと思われます。このような治療が話題となっていますオーソモレキュラーダイエットなのです。この考えは非医学的かもしれませんが、この治療を受けている患者さんが良くなっているところをみると、一理ある考えなのかなと認識を新たにしています。
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2014.06.24更新
CTC(Circulating Tumor Cells)について
わたくしのクリニックのある患者さんからCTCについて相談されました。CTCとは血液中に流れている癌細胞や癌幹細胞のことです。癌患者さんの流血中の癌細胞は転移再発の原因となると言われており、最近米国で流血中の癌細胞を検出する検査キットが開発され、話題を呼んでいます。私の患者さんはある早期癌で手術をされたのですが、再発の危険性を知るために念のため検査を受けたところ陽性と出てしまったのです。その後、免疫療法を受けられたのですが、血液中の癌細胞の数がなかなか減らず、このまま治療を続けるべきか悩んでおられました。私は別の検査会社での再検査を勧めたところ、果たして陰性でした。これは一体何を意味するのでしょうか。少なくとも本検査法に偽陽性あるいは偽陰性の可能性があるということです。FDAは本検査法を認可しているそうですが、その後の免疫療法までは推奨していません。少しでも検査結果に疑問を感じている方がおりましたら、是非、当院のセカンドオピニオン外来に相談してください。
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2014.06.16更新
亜鉛と癌予防
先日、ある権威ある学会誌に亜鉛と癌の発生率に関するメタ解析の結果が記されていました。それによりますと、大腸癌の発生リスクは亜鉛を10mg以上/日摂取している群に有意に大腸癌のリスクが減少したというものでした。アジア人に限定して解析すると、更に食道癌や胃癌のリスクも減少させることがわかりました。亜鉛の推奨されている一日所要量は男性で12㎎、女性で9㎎と言われています。亜鉛の多い食品は牡蠣、牛肉、ゴマ、小麦胚芽などです。亜鉛は皮膚の傷や発疹が治るときに必要な微量元素ですので、よくひびわれなどに亜鉛軟膏を使用します。食品でなかなか摂取できない方には当クリニックで取り扱っていますサプリメントが鉄分を主体に亜鉛を含みますので、薬の副作用が気になる方にはお勧めです。
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2014.06.10更新
禁忌薬
先日、東京女子医大で2歳の男児が術後鎮静目的で使われた麻酔薬の副作用で亡くなるという痛ましい事故が起きました。この時使用されたプロポフォールという麻酔薬は小児では禁忌とされる薬でした。しかしながら、女子医大ではこれまでに15歳以下の子供63例に投与していたそうです。なぜこういうことが大学病院で起こりうるのかを考察してみました。私は恐らく”原則禁忌”という意識が現場にあったのではないかと思います。つまり、小児の鎮静を図る麻酔薬でプロポフォールよりも有効なものが見当たらない、学会等の報告で慎重投与すれば問題ないなどの理由から、使用していたと推測します。確かに63例中62例は問題なかったということなので、現場では使いやすい良い麻酔薬だったのかも知れません。でもこれが大学病院ではなく、一般病院であったらどうでしょうか。とても副作用が怖くて使用する麻酔医はいないでしょう。やはり、大学病院であればスタッフも大勢いますし、何かあってもすぐに対処できるという油断があったのかも知れません。甘えやおごりという言葉で置き換えてもいいかも知れません。私も大学病院のスタッフをしていた頃、これに似たような感覚があったような気がします。この事件は我々医師に対する警鐘と捉えて、反省をしていきたいと考えます。
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2014.06.02更新
衣替え
今年も記録的な暑さで始まった6月。衣替えが躊躇なくできます。当院も5年目を迎えるにあたり、標榜科の衣替えを行います。とはいっても、従来の診療科に整形外科と皮膚科を追加するだけなのですが、元々私は一般外科の出身なので、腰痛症や末梢神経障害、変形性関節症の患者さんを診ていましたし、おできやいぼ、ウオノメなどの外科的処置の必要な皮膚科疾患も数多く診ていました。内科系の患者さんでその都度、膝の痛みや腰の痛みで整形外科へ行ったり、いぼやウオノメで皮膚科に罹るのは大変だと思います。もちろん、湿疹や虫刺されなどはお子様やお年寄りの方は日常茶飯事ですから、次いでに診察できれば便利ですし医療費の節約にもなると思います。そこで、あえて標榜することにより、受診しやすくするようにしました。専門性の高い疾患はすぐに大学病院等の高度医療機関に紹介しますので、遠慮なく相談してください。序でに診療時間も15時からになりますので、宜しくお願いいたします。
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