2015.04.25更新
医師のモラルと名声
ここのところ、医師に関する不祥事のニュースが話題になっております。私が所属している東京女子医科大学病院も特定機能病院の資格をはく奪されるようです。これらのニュースを見ていますと聖マリアンナのケースを除いてすべて医師が名声あるいは業績をあげようとした動機が感じ取れます。女子医では麻酔薬の人体実験のようなもので、これでデータが取れれば論文が一本書けます。腹腔鏡手術は誰もが行ってない領域で自分がやって成功すれば、教授になれるかもしれない。大義名分は高度な医療で患者さんを治す方法を開発するためとしていますが、つまりは人体で練習をしているに過ぎません。と、言われても仕方がないことです。私も大学にいたときは、周囲にそういう感覚はあったと思います。早い者勝ち、抜け駆けといった感じです。本当に才能がある人がすれば一度や二度の失敗はあるかもしれませんが、三度目の正直で失敗は繰り返しません。尊い命を相手にしているのですから、生命に関わるような手術は慎重に検討し、一人の暴走を許してはいけません。医療界全体が取り組む問題ですが、体制にも問題がありますので、そう簡単には解決するものでも無いかもしれませんが、我々医師一人一人がこれらの事件をきっかけに襟を正していく必要があります。今後の成り行きに目を光らせていきたいと思います。
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2015.04.10更新
やっと念願がかないました
パーツツマブという分子標的治療薬を用いた胆道癌に対する新しい治療法の開発は私の長年の夢でした。今まで日本消化器病学会や日本胆道学会、および国際学会で数多く発表して参りましたが、この度やっと学会誌にパブリッシュされました。オンラインジャーナルには既に出ていましたが、印刷物として世に出ることになりました。これをステップとしてヒトへの臨床研究に弾みがつくことを願って止みません。Journal of Gastroenterology (2015) Volume 50 Number 4: 467-479
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2015.04.02更新
身震いする言葉
様々な人生の場面で、感動のあまり身震いするようなことはありませんか。昨日、ある番組で難病治療に取り組む山中先生の言葉に大変感動しました。「私たち(研究者)の1日、1ヶ月と患者さんの1日、1ヶ月は違うことを認識して、研究をしていかなければならない」難病で苦しんでいる患者さんのために、1分、1秒を無駄にすることなく、医療や研究に勤しむという信念を感じる言葉です。iPS治療の開発に対する熱い情熱がひしひし伝わります。自分も一医療者として、一研究者として同じを想いを感じますので、この言葉を聞いた瞬間、身震いしました。と同時に自分はどれだけのことをしているのか、見つめ直す機会を得ました。この言葉を糧にこれからの自分の医療や研究を進めて行きたいと思います。
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