クリニックブログ

2013.03.07

救急の問題

先日、ある地方自治体で救急要請のあった患者さんの受け入れを36回断られた後、隣の自治体の病院が受け入れたのですが、既に2時間以上経ており、お亡くなりになってしまった事件が報道されました。非常に痛ましいことですが、東京でも以前同様の事件があり、その対策として東京ルールなるものができました。5軒以上の病院で断られた、あるいは搬送先が30分以上見つからない時に当番病院が受け入れるシステムです。実際はそれでも、受け入れ病院に入院ベッドがない場合は応急的診断、処置をしてから他の病院に搬送します。これは2次救急の患者さんに対応しているのですが、私も当直業務をしていますと2次の情報で救急隊から連絡を受けても、実は3次の患者さん(高度救命医療が必要な患者さん)だったりすることがあります。従って、少ない情報でいろいろ推測してしまい、自分では対応が困難かも知れないと思った瞬間に専門医がいない、設備がないなどと理由をつけて患者さんの受け入れを断ることがあるのかも知れません。病院のキャパシティと当直医の技能によるところが大きいと思います。このような悲劇を繰り返さないためには、人まかせではなく、行政と病院が一体となって救急医療に取り組む姿勢が必要だと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

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