火曜日、金曜日 8時~13時、16時~18時30分
外来担当医師 川本 徹 名誉院長
サプリメント相談室開設の目的・意義
サプリメント王国の米国では国民の50%、約2億6千万人がビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸、食物繊維等のサプリメント(以下サプリ)を摂取していると言われています。多くの国ではサプリの安全性と機能性表示を可能にする制度が整備され、米国においては1994年に栄養補助食品健康教育法(DSHEA)を制定し、予防医学にサプリを積極的に活用する活動を行っていて、既に、疾患発症と医療費の減少をもたらしていることが明らかになっています。国内でも、坂戸市が行っている「葉酸プロジェクト」により、医療費の伸び率は県下最低となり、介護保険1人当たりの給付費も減少を続けているといいます。しかしながら、日本は未だ「予防」や「未病」への対策が遅れていて、日々の診療を通しても自分自身の体は自分で守るという、一人ひとりの意識が希薄であると感じております。
病気を予防し、健康寿命を延ばすために、老化に伴う様々な症状についてサプリ(健康食品を含む)を利用して予防していこうとする取り組みは、個々が快適に過ごしていくために自らの判断で健康を管理していくことが可能となり、延いては医療行政への一助にもなると考えられます。しかし、現状では自分にあったサプリを選んで摂取し続けていくことが困難であることが見受けられます。これにはエビデンスに基づいた機能性表示が明瞭でわかりやすいものではないことも大きな理由の一つではないかと思います。
今後、私たちの「ヘルスリテラシー」の向上がサプリの品質管理や安全性の向上にも大きく影響していくということを理解し、自らが学習し、正しい知識を持ってサプリを健康維持に活用していくことが重要であると考えます。
2015年に日本で始まった機能性表示食品制度は、サプリ分野において先をゆくアメリカのDSHEAを参考にしたと言われています。機能性表示食品として販売されているサプリは、事業者の責任においてその安全性及び機能性に関する一定の科学的根拠を示すことができれば、国の審査なく製造、販売ができます。また、健康被害情報の収集体制が整っていることが義務付けられています。令和6年に発生した小林製薬の紅麹サプリの健康被害も、実は機能性表示食品として届けられていたので、被害が拡大しなかったとも言われています。もし、通常の食品であったら、健康被害の報告義務がないため、被害はもっと拡大していたと考えられています。つまり、機能性表示食品の制度は機能していたと言えるのです。ただし、報告義務は法的でないため、今後、この点については整備していく必要があるでしょう。いずれにしてもこの制度により、日本のサプリの安全性は格段に向上し、安全・安心の観点から、アジア諸国での高い評価を得てきていますが、より安全性の高い製品の選択が要望されることから、更に機能性表示の制度を改善していくこと、そして健康被害の情報をいち早く利用者と事業者間で提供しあっていけることが重要と考えます。
当院では上記の目的・意義を理解し、達成するべくサプリメント相談室を開設いたしました。私どもは以上の点に注目し、サプリ使用者あるいはこれから使用を考えている方たちをサポートして行きたいと思っております。是非、本相談室を活用して頂ければと願います。
サプリメントの相談室(①,②、③火曜、金曜(受診前連絡要)③のみ完全予約制
注意点として、基本的に「サプリメント相談」は疾患の治療ではないので、自由診療の対象となります(相談料が別途3.300円かかります)。
① 使用されている、あるいは気になるサプリメントの効能や安全性について相談いたします。事前にサプリメントの会社名、商品名をお知らせ願います。
② 体の悩みや不調に合わせて、適当なサプリメントのアドバイスをします。
③ 血液検査(約1万円+税)であなたに足りないビタミン、ミネラルを始めとした栄養素を調べ、サプリメントを選択するお手伝いをします。
みなと芝クリニック
サプリメント相談室長 川本徹