骨粗しょう症は、他の生活習慣病と同じように食生活や運動習慣などの生活習慣を改善することで予防できる病気であることがわかっています。これから骨を丈夫にするための栄養素を説明します。
カルシウム 骨量を増やすことにより、骨密度を上昇させ、骨を頑丈にします。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品を始め、小魚、豆腐、納豆にも多く含まれます。特に乳製品のカルシウムは腸からの吸収がアップしますので、お勧めです。
マグネシウム 骨は、カルシウムだけでなく、マグネシウムやリンなどによっても構成されており、骨の弾性や密度の維持に関与しています。カルシウム2に対し、マグネシウム1を摂るのが理想と言われています。マグネシウムは主に海藻類に含まれます。
ビタミンD 腸からのカルシウムの吸収を促進する作用とカルシウムを、骨を作っている現場まで運ぶ作用があります。日光に当たるとビタミンDは働き始めますので、一日最低15分はお日様に当たるようにしましょう。きのこ、サケ、サンマ、サバ、イワシに多く含まれます。
ビタミンK カルシウムが骨に取り込まれて骨を形成したり、カルシウムの排泄を抑えて骨の破壊を防いだりします。骨密度を増やすというより、骨質(しなやかさ)を良くします。納豆、小松菜、ホウレンソウ、春菊に多く含まれます。
ビタミンB6、B12,葉酸
骨の重要な構成成分であるコラーゲンの劣化を予防し、コラーゲンを形成するために必要な補酵素です。B6はマグロ、カツオ、レバー、バナナに多く含まれます。B12もレバーに多く含まれますが、アサリやハマグリ、しじみなどの貝類や牡蠣に多く含まれています。葉酸は海苔、うに、いくら、ブロッコリー、えだまめ、レバーに多く含まれています。
タンパク質 骨の骨格になるもので、骨格がしっかりしていないと骨も丈夫になりません。一日の摂取目安量は80g(市販のサラダチキン用胸肉で4パック相当)です。
ビタミンC・鉄分 コラーゲンはタンパク質(アミノ酸)とビタミンCを原料に、鉄のサポートを受けて生成されます。鉄分はヘム鉄という動物性(肉)のものの吸収が良くてお勧めです。一方、植物性は非ヘム鉄と言われるもの(野菜など)で、吸収が悪いためビタミンCと一緒に摂ると吸収がよくなります。
イソフラボン イソフラボンは体内でエクオールというエストロゲン類似物質に代謝され、骨粗しょう症を予防します。ただし、日本人女性の約50%にエクオールを作れない体質の方がいますので、エクオールを直接摂取しなければなりません。エストロゲンと同様、骨からのカルシウムの流失を防ぎます。イソフラボンは大豆製品に多く含まれます。豆乳、豆腐、納豆などいずれかを一日一回は摂取しましょう。