顔に白い斑点ができたら?子供から大人まで知っておくべき原因と受診すべきタイミング

顔に白い斑点ができて、鏡を見るたびに気になっている。子供の頬に白っぽい部分があって、これは病気なのか、放っておいていいのか分からない。

結論から言うと、顔の白い斑点の正体は一つではありません。

代表的な「尋常性白斑」以外にも、子供に多い「はたけ(白色粃糠疹)」、真菌が原因の「癜風」、加齢や日光による色素変化など、複数の可能性があります。見た目が似ていても原因も治療法もまったく違うため、「自分のケースがどれに近いか」を見分けることが最も重要です。

この記事では、皮膚科医の視点から、顔の白い斑点の主な原因・子供と大人での違い・かゆみの有無による判断・はたけとの見分け方・受診すべきタイミング・実際の治療の流れまで、実用的な判断材料を網羅的にお伝えします。

顔の白い斑点、まず知っておきたい4つの代表的な原因

1. 尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)

尋常性白斑は、皮膚の色素を作る細胞(メラノサイト)が減少または消失することで、皮膚に白い斑点が現れる病気です。全人口の約0.5~1%が罹患し、年齢や性別を問わず発症します。
境界が比較的明瞭な白斑が特徴で、左右対称に広がる非分節型と、体の片側に出る分節型があります。自己免疫的なメカニズムが関与すると考えられており、甲状腺疾患などの自己免疫疾患を合併することもあります。
感染症ではないため他人にうつることはありませんが、見た目の変化により心理的負担が大きいです。進行性のケースもあるため、早期の診断と適切な治療が重要とされています。

特徴

• 境界が比較的はっきりしている
• 左右対称に出るタイプ(非分節型)と、一側性のタイプ(分節型)がある
• 全人口の約0.5~1%が罹患し、年齢を問わず発症する
• 感染症ではなく、基本的に他人にうつらない
• QOL(生活の質)への影響が大きいことが知られている

白斑は自己免疫的なメカニズムが関与すると考えられており、甲状腺疾患などの自己免疫疾患を合併することもあります。

2. はたけ(白色粃糠疹)

はたけ(白色粃糠疹)は、主に3~16歳の子供の顔、特に頬に多く見られる白い斑点です。境界がやや不明瞭で淡い白色を呈し、軽い乾燥や細かな鱗屑(皮膚の粉)を伴うことが特徴です。かゆみは軽度、またはほとんどありません。
乾燥や軽い炎症が背景にあると考えられており、アトピー性皮膚炎との関連も指摘されています。季節によって目立ったり薄くなったりすることがあり、多くは成長とともに自然に改善します。ただし、数か月から数年続くこともあります。
病的なものではなく、健康上の問題はほとんどありませんが、見た目が気になる場合や乾燥がひどい場合は保湿剤などで対処します。尋常性白斑と見た目が似ているため、鑑別が重要です。

特徴

• 3~16歳くらいの子供に好発
• 境界がやや不明瞭で、淡い白色
• 軽い乾燥や細かな鱗屑(皮膚の粉)を伴うことが多い
• かゆみは軽度、またはほぼない
• 季節によって目立ったり薄くなったりする
• 自然に改善することも多いが、数か月~数年続くこともある

はたけは病的なものではなく、多くの場合は成長とともに自然消失しますが、見た目が気になる場合や乾燥がひどい場合は保湿や治療を行います。

3. 癜風(でんぷう/Pityriasis versicolor)

癜風は、皮膚の常在真菌であるマラセチア(Malassezia)が過剰に増殖することで起こる皮膚感染症です。色素の変化を引き起こし、白っぽい斑(低色素型)のほか、褐色や淡紅色の斑が現れることもあります。
主に胸、背中、首、上腕などに多く見られますが、顔に出ることもあります。軽度のかゆみや細かい鱗屑を伴うことが特徴です。高温多湿の環境や皮脂分泌が多い人に起こりやすく、夏場に悪化しやすい傾向があります。
見た目が尋常性白斑と紛らわしいため、正確な鑑別が重要です。真菌感染のため、外用抗真菌薬による治療が有効で、白斑の治療薬を使っても効果はありません。適切な診断と治療により改善しますが、再発することもあります。

特徴

• 胸・背中・首・上腕などに多く、顔にも出ることがある
• 白っぽい斑(低色素型)のほか、褐色や淡紅色の斑もある
• 軽度のかゆみや、細かい鱗屑を伴うことがある
• 高温多湿の環境や、皮脂分泌が多い人に起こりやすい
• 見た目が白斑と紛らわしいため、鑑別が重要

癜風は真菌感染のため、外用抗真菌薬で治療します。白斑と間違えて免疫調整薬を使っても効果がないため、正確な診断が必要です。

4. 加齢・日光関連の色素減少(特発性滴状色素減少症など)

特発性滴状色素減少症は、年齢とともに日光に当たりやすい部位に小さな白い点が増えてくる色素減少です。
主に中高年以降に見られ、腕、脚、顔など紫外線曝露の多い部位に、数ミリ程度の白点が散在します。境界は比較的明瞭ですが、症状の進行は緩やかです。長年の紫外線による影響が関与していると考えられており、加齢性の変化の一つとされています。
健康上の問題はほとんどなく、特に治療の必要がないことが多いですが、見た目が気になる場合は皮膚科で相談することができます。

特徴

• 主に中高年以降に見られる
• 腕・脚・顔など、紫外線曝露の多い部位に出る
• 数ミリ程度の小さな白点が散在する
• 境界は比較的明瞭だが、症状の進行は緩やか
• 特に治療の必要はないことが多い

これらは加齢性の変化であり、健康上の問題はほとんどありません。

子供と大人、それぞれで「見るべきポイント」が違う理由

同じ「顔の白い斑点」でも、年齢によって可能性の高い原因が異なります。

子供の白い斑点で確認したいこと

① 頬の淡い白斑+乾燥傾向がある → はたけの可能性が高い
子供の顔、特に頬に出る白っぽい斑点で、触るとカサカサしている、または粉を吹いたようになっている場合は、はたけ(白色粃糠疹)の可能性が高いです。多くは保湿ケアで改善します。

②境界がはっきりしていて、徐々に拡大している → 白斑も鑑別対象
はたけと違い、境界が明瞭で白色が強く、数か月で範囲が広がっているようであれば、尋常性白斑の可能性を考える必要があります。

③「しみる」「赤み」「掻き壊し」の有無
アトピー性皮膚炎などの湿疹が先行していた部位に、色素が抜けて白くなることもあります(炎症後色素脱失)。この場合、もともとの湿疹の治療が優先です。

④家族歴の確認
家族に白斑や自己免疫疾患(甲状腺疾患、膠原病など)がある場合、白斑のリスクがやや高くなります。

大人の白い斑点で確認したいこと

① 急に境界明瞭な白斑が増えている → 白斑を優先的に鑑別
成人で、数か月の間に顔や手などに白い斑点が広がってきた場合、尋常性白斑の可能性が高まります。特に非分節型の白斑は進行性のことがあるため、早期の相談が推奨されます。

② 体幹(胸・背中・首)にも同様の斑がある → 癜風も疑う
顔だけでなく、汗をかきやすい体幹部にも淡い白色や褐色の斑がある場合、癜風の可能性があります。軽いかゆみや鱗屑があることも手がかりです。

③ 長年の日光曝露部位に小さな白点が散在 → 加齢性変化の可能性
腕や脚、顔などに小さな白点が点々とあり、数年かけて徐々に増えてきた場合は、加齢や日光による色素減少(特発性滴状色素減少症など)が考えられます。これは病気というより経年変化です。

④ストレスや他の症状の有無
白斑は自己免疫的な要素があるため、強いストレスや他の自己免疫疾患の存在が関連することがあります。全身の健康状態も含めて評価することが重要です。

放置してもいい?受診すべきタイミング

「命に関わらないから放置していい」とは限りません。
顔の白い斑点の多くは、生命予後には直接影響しない疾患です。しかし、それは「放置してよい」という意味ではありません。見た目の変化による心理的負担、進行のリスク、QOL(生活の質)への影響を考えると、適切なタイミングでの受診が強く推奨されます。
特に白斑は、進行性のケースでは数か月から数年かけて広がることがあり、早期に治療を始めることで拡大を抑えられる可能性が高まります。また、子供の場合は学校生活での心理的影響も無視できません。

こんなときは早めに皮膚科へ

以下のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。

①1か月以内に白斑が明らかに拡大している
「先月より範囲が広がっている」「新しい白斑が別の場所にも出てきた」といった場合は、進行性の白斑である可能性が高まります。
白斑は活動期と安定期を繰り返すことがあり、活動期には急速に拡大することがあります。早期に治療を開始することで、拡大を抑え、色素の再生を促せる可能性があります。

②境界がはっきりしてきた、白色が強くなってきた
最初は「ぼんやりした白っぽさ」だったものが、徐々に境界が明瞭になり、白色が際立ってきた場合、はたけ(白色粃糠疹)だと思っていたものが実は白斑だった、というケースもあります。
保湿ケアで改善しない、むしろ白さが増している場合は、白斑への移行を疑い、早めの鑑別が必要です。

③ 顔・首など目立つ部位に出ている
顔や首、手指など、衣服で隠しにくい部位に白斑が出ている場合、日常生活での心理的負担が大きくなります。
特に思春期の子供や、接客業など人前に出る機会の多い大人の場合、「人の視線が気になる」「外出が億劫になる」といったQOLの低下が起こりやすく、早めの対処が精神的な安定にもつながります。

④家族に自己免疫疾患の既往がある
白斑は自己免疫的なメカニズムが関与すると考えられており、家族に以下のような疾患がある場合、白斑のリスクがやや高くなります。
• 甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病)
• 1型糖尿病
• 悪性貧血
• アジソン病
• 関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病

家族歴がある場合は、早期に診断を確定し、必要に応じて他の自己免疫疾患のスクリーニングも検討します。

受診のタイミングまとめ

状況受診の優先度理由
1か月以内に拡大進行性白斑の可能性、早期治療が有効
境界が明瞭化白斑への移行の可能性
顔・首など目立つ部位QOL・心理的負担が大きい
家族に自己免疫疾患中~高白斑リスクが高い
保湿で改善しないはたけ以外の可能性
複数箇所に白斑中~高全身性病変の可能性
心理的負担が強い中~高精神的サポートも含めた対応が必要
安定期・変化なし定期観察は必要
加齢性の小白点健康上の問題なし

カバーメイクという選択肢

白斑や顔の白い斑点がある場合、治療と並行してカバーメイク(医療用カモフラージュメイク)を活用することで、見た目の改善と心理的負担の軽減が期待できます。

カバーメイクとは

カバーメイク(カモフラージュメイク)は、白斑やあざ、傷跡などの色調の違いを目立たなくするための専用化粧品を使ったメイク技術です。
通常のファンデーションよりもカバー力が高く、汗や水に強い処方のため、長時間の外出やスポーツ時にも使用できます。医療機関や専門サロンで指導を受けることができ、自分の肌色に合わせた調色も可能です。

白斑や顔の白い斑点があることで
「人の視線が気になる」「外出が億劫」「写真を撮られたくない」
といった心理的負担を抱える方は少なくありません。

白斑などの治療には数か月から半年以上かかることが多いので、治療効果を待つ間の心理的サポートとして「カバーメイク」という選択肢が注目されています。

「顔の白い斑点」に関するよくある質問

Q1. 顔に白い斑点ができました。これは何の病気ですか?
A. 顔にできる白い斑点には複数の原因があり、一概には判断できません。代表的なものとして、尋常性白斑(自己免疫疾患)、はたけ(乾燥による色素の変化)、癜風(真菌感染)、脱色素性母斑(生まれつきの色素欠乏)などがあります。境界がはっきりしているか、表面がカサついているか、いつから出現したかなどによって原因が異なるため、皮膚科での診察をおすすめします。

Q2. 白い斑点と白斑は同じですか?
A. 「白い斑点」は症状の表現であり、「白斑」はその原因となる病名の一つです。白い斑点という症状の原因には、白斑(尋常性白斑)以外にも、はたけ、癜風、傷跡などさまざまなものがあります。医学的に「白斑」という場合は、主に尋常性白斑を指すことが多いです。

Q3. 白い斑点とシミの違いは何ですか?
A. シミはメラニン色素が過剰に沈着して「濃くなった」状態、白い斑点はメラニン色素が減少または欠乏して「色が抜けた」状態です。全く逆のメカニズムで起こるため、治療法も異なります。

Q4. 突然顔に白い斑点ができたのですが、何が原因ですか?
A. 急に現れた場合、尋常性白斑の初期症状、強い日焼けの後の色素の不均一、または癜風などが考えられます。外傷や炎症の痕である場合もあります。ストレス、ホルモンバランスの変化、免疫系の変調なども関与することがあります。数日様子を見て消えない場合は、皮膚科を受診してください。

Q5. 白い斑点ができやすい体質はありますか?
A. 尋常性白斑に関しては、家族歴がある場合、遺伝的になりやすい傾向があります。また、甲状腺疾患や糖尿病などの自己免疫疾患を持つ方、アトピー性皮膚炎の方なども、白い斑点ができやすいとされています。癜風は汗をかきやすい体質の方に多く見られます。

執筆者紹介

みなと芝クリニック 名誉院長 川本 徹

1987年筑波大学医学専門学群卒業
1993年筑波大学大学院医学研究科修了 博士(医学)
1996年筑波大学臨床医学系外科(消化器)講師
2003年米国テキサス大学MDアンダーソン癌センター客員講師
2008年東京女子医科大学消化器病センター外科非常勤講師
2010年5月より、みなと芝クリニック 院長
2013年東邦大学医学部医学科 客員講師
2022年10月みなと芝クリニック名誉院長
2022年11月犀星の杜クリニック六本木院長
専門分野内科、整形外科、皮膚科
認定医・専門医日本外科学会 認定医
日本消化器外科学会 認定医
日本消化器病学会認定消化器病専門医
日本抗加齢学会会員
その他の所属学会米国臨床腫瘍学会 正会員
米国癌学会 正会員
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