日本人の3人に1人は「痔」だといわれています。
一言で「痔」といっても、実は、男性、女性によって、その種類もできる場所も、大きく異なります。
それには、体の作りや筋肉の強さ、生活習慣など、さまざまな原因が考えられますが、そのなかでも最も大きいのが「出産」です。
出産時のいきみは、通常の排便時の何倍もの力が肛門にかかります。それが原因で、多くの女性が「痔」になってしまうのです。
しかし、出産後、育児や家事に忙しく、また我慢強い女性たちは、違和感があっても、病院に行く時間がとれず、放置するか、薬局で買った薬を塗るかで、気づいたら痛みが薄れていたということも少なくありません。
もしかしたら、「痔」は男性がなるもので、女性である自分が「痔」になんてなるはずがないという思い込みもあるかもしれません。
しかし、出産が原因の、治っていた、もしくは気づかなかった「痔」が、その後数十年経ってから、再発することがあるのです。しかし、ある程度の年齢になってからの「痔」を根治させることは、非常に難しいですから、出産後、肛門周りの違和感や気になる症状があったときは、できるだけ早く治療することをおすすめします。
また、お産以外でも、便秘や下痢、排便時のいきみ、冷えなども、「痔」の原因になりますので、ふだんから注意することが大切です。
もし、肛門の周りの違和感が続いたり、繰り返したりした時は、早めの受診をおすすめします。
「痔」で病院に行くことは、決して恥ずかしいことではありません。早期発見、早期治療が良いのは、「痔」も同じです。気になる症状がある方は、早めに受診して、医師による診断・治療を受けましょう。